関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の今場所後の大関昇進は厳しい状況となった。

隆の勝との関脇対決に敗れて4敗目を喫した。相手の左おっつけで右を差せず、相手の左を抱えて強引に前に出た。土俵外に飛び出しながら押し出し、軍配は照ノ富士に上がったが物言いがついた。協議の結果、行司軍配差し違え。隆の勝の足より、自身の足が先に出ていた。

東前頭筆頭の昨年秋場所で8勝、返り三役となった同年11月場所では13勝。「三役で3場所33勝」が大関昇進の目安で、今場所は大関とりの足固めという位置づけだが、成績次第では場所後の昇進も考えられた。

師匠で幕内後半戦の伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士)は、照ノ富士は厳しい状況にあるかという問いに「そうですね」と言葉少な。照ノ富士は取組後のリモート取材に応じず、国技館を引き揚げた。4敗で優勝戦線からは後退したものの、大関とりの足固めとなる2桁白星に向けて、気持ちの切り替えが求められる。