先代時津風親方(元前頭時津海)を父に持つ次男の西序ノ口23枚目春雷(しゅんらい、16=立浪、本名・坂本正真)が、7戦全勝で序ノ口優勝を果たした。

西序ノ口4枚目の最上桜に対して、立ち合いは両前まわし狙い。左前みつ、右差しで一気に前に出て寄り倒した。「落ち着いて相手の変化、土俵際の投げとかを考えてしっかり注意を払いながら勝てるようにああいう相撲を取った」と納得の表情だった。

父である先代時津風親方は、初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受け、協会を退職した。今春に千葉・柏第二中を卒業し、兄の木竜皇とともに立浪部屋入門を決意。夏場所で初土俵を踏み、序ノ口デビューでいきなり結果を残した。

同期には兄を含めて学生相撲、高校相撲出身の力士が数多くいる中で、16歳にして優勝をつかんだ。今年1月の全国大会で3位となった実績はあるものの、アマチュア時代からタイトルを獲得したことはないだけに「めちゃくちゃうれしい。今まで2位とか、3位で、ずっと優勝はなかったので」と喜んだ。

兄の木竜皇は6勝1敗で、自身が敗れれば兄を含めた優勝決定戦にもつれ込んでいた。この日は兄と場所入り。「内心はそんなに勝ってほしくはなかったと思う」と笑い「でも『気にしないで頑張れよ』と言ってくれた」と感謝した。

目標は10代での関取昇進。兄弟子の小結明生や平幕の豊昇龍にあこがれている。「来場所は(相手が)今よりも強くなるので、もっと稽古して来場所もいい結果を残せるように頑張りたい」と意気込んだ。