出場停止処分が、7月の名古屋場所で解ける大関経験者の幕下力士・朝乃山(28=高砂)について、NHKテレビの大相撲中継で、向正面の解説を務めた高砂部屋付きの若松親方(元前頭朝乃若)が近況を明かした。

それによると、3月の春場所が終わり大阪から帰京後、同親方から「(復帰の名古屋)場所に向けて本腰を入れて集中してやろう」と言葉をかけたという。だが、この夏場所前、太ももに軽い肉離れを起こしたという。ただ、それも「徐々に良くなって(十両の)朝乃若と稽古している」というから快方には向かっているようだ。

稽古の相撲内容からは、ある「うまさ」が出てきたという。若松親方によれば「だいぶ腰の使い方がうまくなりました。前に出る時の相手に(腰を)ぶつけるような」と寄り身のうまさが増してきたという。1年間という謹慎期間で精神的な疲弊もあるだろうが「この1年間、外出もできず、だいぶこたえたと思いますが(本人は)それを見せないようにしていました」と胸中を察するように話した。

朝乃山は、不要不急の外出などを禁じた日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、6場所出場停止処分を受けた。その起点は、大関だった昨年7月の名古屋場所。その出場停止処分はこの夏場所までで、名古屋場所が復帰の土俵になる。今場所の番付は西幕下42枚目で、復帰の名古屋場所は三段目からの出直しが確実視される。