大関復帰の望みは、はかなくも消え関脇御嶽海(29=出羽海)が出直しを余儀なくされた。

平幕の翠富士(26=伊勢ケ浜)に、もろ差しを許し頭をつけられ土俵中央で棒立ち。1分20秒が過ぎたところで、まわしを離し寄り立てる翠富士に防戦一方。反撃の余力はなく、アッサリと土俵を割った。

4勝1敗で序盤5日間を乗り切りながら、6日目から5連敗で6敗目(4勝)。残り5日で10勝に届かず大関復帰の可能性は消えた。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「集中力がない。突っ張っているけど、その後、どういうイメージで勝つかが…(感じ取れない)」と、もろ差しを許すまで攻めあぐねた内容に苦言。「中に入るタイプ(の翠富士)を引っ張り込んでは(いけない)。どちらかを差したかったところ」と続けた。

残り5日でまずは勝ち越して、来場所を大関復帰への足がかりにしたいところ。再起に向けて同理事長は「気持ちでしょう。稽古する気持ちが大事」とした上で「現状で横綱、大関が少ない。もう1度、やり直してほしい」と期待。今年春場所が新大関で1年以内に昇進、陥落の憂き目に遭ったが「残念だけど勝負の世界だから仕方ない。(来年に向けて)頑張るしかない」と奮起を促した。