大関経験者で西十両12枚目の朝乃山(28=高砂)が、ただ1人勝ちっぱなしで勝ち越しを決めた。

東十両10枚目の豪ノ山(24=武隈)を小手投げで下し、関取になってから自身3度目となる初日から負けなしで勝ち越すストレート給金を決めた。6日目以降単独トップを続け、いまだ手にしていない十両優勝へ。8連勝に「自分の中では通過点ですので、明日からまた切り替えていきたいです」と気を引き締めた。

幕内も含めた関取衆で唯一の初日から8連勝にも、喜びに浸ることはない。朝乃山の口から出たのは課題だった。「押しかえしていなしたところで土俵際で持っていたのに、決められなかった。(豪ノ山に)中に入れらたので、そこは反省点です」。自身の新型コロナウイルスのガイドライン違反で6場所出場停止処分中に力をつけきた24歳について「場所前から僕も若い関取衆と対戦すると思っていました。肌で感じて良いもの持っていますし、刺激になります」と振り返った。

朝乃山は初日に貴健斗(常盤山)を下し、関取として599日ぶりの白星を挙げた。大関だった21年5月19日の夏場所11日目(隆の勝をすくい投げで退けた)以来となる勝利で、再十両を果たした場所で好スタートを切った。

続く2日目の千代栄(九重)、3日目に白鷹山(高田川)、4日目に對馬洋(つしまなだ、境川)、5日目に魁勝(浅香山)を下し、序盤戦を5戦全勝。そして、中盤戦に入った6日目に狼雅(二子山)、7日目に島津海(放駒)を撃破し、十両ではただ1人勝ちっぱなしで単独トップを維持。大関だった20年7月場所と十両だった17年7月の名古屋場所に続き、3度目となる8連勝。「15日間相撲を取れることへの感謝を忘れない」との気持ちを持ちながら土俵に上がり、新しい顔ぶれがひしめく十両でも大関経験者としての実力を見せつけている。

全勝または1敗での優勝なら十両1場所通過、来場所での幕内の可能性も十分ある。周囲は15戦全勝を期待する声も高まるが、「周りの声は何も聞かないように、1日一番だけを考えています」。残り7番に向けて「まずは自分の型になれるようにする。相手がさせてくれないときには、若い子たちに負けないように攻めていきたい」。この勢いのまま、十両優勝へ白星を積み重ねる。