21年3月に引退した元横綱鶴竜親方が、断髪式前、最後の横綱土俵入りを行った。太刀持ちに霧馬山改め新大関霧島、露払いに小結正代を従えた。雲竜型の土俵入りを披露した。会場から「鶴竜、日本一!」などと大きな歓声が起きた。

現役として最後に本土俵に立った20年7月場所から約3年が経過してもなお、現役時代と変わらないたくましい体、力強い四股とせり上がりでファンを魅了した。「大横綱」と呼ばれた史上最長69連勝の双葉山、いずれも優勝20回を超える大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍が、ことごとく雲竜型だった。その系譜を自身も受け継いだ。これで見納めになった横綱土俵入り。披露が終わっても、しばらくの間、歓声が鳴りやまなかった。

◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985年(昭60)8月10日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。01年9月に来日し同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。幕内優勝6回。三賞は技能賞7個、殊勲賞2個。21年3月に引退し、陸奥部屋付きの親方として後進の指導に当たっている。