狙うは、師匠の幕内デビュー場所の再現だ。大相撲名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)で新入幕の豪ノ山(25=武隈)が26日、武隈部屋の宿舎「くつろぎ天然温泉湯楽」(愛知・津島市)で会見し本場所に向けた意気込みを述べた。同席した師匠の武隈親方(元大関豪栄道)を前に、2桁白星&三賞奪取を目指すと誓った。

温泉施設の食堂の一角に設けられた会見場。報道陣のすぐ後ろには温泉を利用しにきた地元住民らがいる前で、豪ノ山は力強く言った。「2桁と三賞を取れるようにしたい」。新入幕だった07年秋場所で師匠の武隈親方は11勝を挙げて敢闘賞を獲得。その再現を期すべく、「まわしにこだわらず前に、前に、どんどん出る押し相撲でいきたい」と理想の相撲を貫けるかが鍵となる。

埼玉栄、名門の中大法学部法律学科を卒業後、三段目100枚目格付け出しで21年春場所でデビュー。昨年名古屋場所で新十両に昇進。1年後に新入幕をつかんだが、本人は「順調ではなかった。できればもっと早く上がりたかった」と満足はない。

自信はある。先場所14勝を挙げ、千秋楽の優勝決定戦では落合(現・伯桜鵬)を物ともせず快勝。十両優勝を果たし、満を持して幕内の土俵に上がる。東前頭13枚目として臨む今場所。場所前から埼玉栄の後輩の王鵬の胸を借りて三番稽古を行うなど調整してきた。「馬力、押す力は幕内でも通用する」と師匠からも太鼓判を押される25歳。残り2週間で場所に向けて「万全な状態で臨めるようにいけたら」と話していた。【平山連】