大相撲名古屋場所(9日初日、ドルフィンズアリーナ)で新入幕の東前頭13枚目豪ノ山(25=武隈)が2日、愛知・蟹江町の高砂部屋に出稽古し、大関経験者の朝乃山に三番稽古で胸を借りた。

計14番で3勝11敗と圧倒された格好。同行した師匠の武隈親方(元大関豪栄道)には「つかまったら何もできない、じゃあ、稽古にならないだろ!」などと怒声を浴びせられた。ガムシャラにでも振りほどいて、得意の突き、押しの形に持ち込む必死さを求められた。三番稽古開始から7連敗したが、その助言の成果もあって後半は3番勝った。

稽古後、豪ノ山は「朝乃山関には圧力や腰の重さは到底及ばない」と、素直に実力差を認めた。それでも番付発表後の愛知入り後、この日で高砂部屋への出稽古は3度目。「だんだん、できることも増えてきた」と、成果が出ている手応えも感じている。

稽古の最後には、関取経験者で190センチ、170キロと大柄の幕下朝弁慶を相手に、ぶつかり稽古を行った。朝弁慶を相手にぶつかるのは、武隈親方直々の指名。大柄な力士が多い幕内土俵を見据えて、約4分間、砂まみれになって胸を借りた。「高砂部屋の方々には、いろいろと声も掛けていただき、朝乃山関には三番稽古をやっていただき感謝しかない」と、収穫の大きさを強調した。

先場所は十両優勝。勢いに乗って迎える新入幕場所に向けて「緊張していたら、もったいない。思い切ってやるだけ。目標は2桁勝つこと」と、師匠譲りの負けん気の強さをのぞかせていた。

大相撲名古屋場所ニッカン式番付