東十両14枚目の大の里(23=二所ノ関)は、初土俵から3場所目での十両優勝はならなかった。

東十両筆頭の狼雅に、すくい投げで敗れて12勝3敗。取組前に2敗で並んでいた一山本が、先に13勝目を挙げていたため、優勝決定戦に持ち込まれることなく、本割で一山本の2度目の十両優勝が決まった。日体大で2年連続アマチュア横綱に輝き、幕下10枚目格付け出しでのデビューから、3場所目の今場所を新十両で迎え、初日から9連勝を飾ったが、優勝には届かなかった。

立ち合いで突き放し、そこから左を差して前に出たが、土俵際で逆転のすくい投げに転がった。取組後は「負けは負け。しっかりと九州(=九州場所、11月12日初日、福岡)に向けて頑張りたい」と、淡々と胸を張って答えた。一山本の取組は「見ていなかった」といい、結果も「知らなかった」と、情報を遮断し、自身の一番だけに集中していたが敗れ「自分が弱かった」と、素直に負けを認めた。

幕下以下の1場所7番とは違い、今場所で初めて15日間連続で取組に臨む経験をした。「15日間の戦い方を知り、いい経験になったし、自信にもなった」と、収穫を挙げた。終始冷静に取材に応じていたが、最後に「悔しいけど、切り替えて頑張ります」と、悔しいという言葉を使い、本音をのぞかせ、雪辱の思いをにじませていた。