大相撲元関脇魁聖の友綱親方の断髪式が1日、東京・両国国技館で行われた。30時間かけて故郷ブラジルから駆けつけた母や弟妹をはじめ関係者約340人がはさみを入れ、師匠の浅香山親方(元大関魁皇)が止めばさみを入れた。「昔から応援してくれた方がはさみを入れてくれて、いろいろ思い出がよみがえった。無事に終われて良かったです」とほっと一安心していた。

日系3世で2006年7月に来日し、同年秋場所で初土俵。10年の名古屋場所で新十両昇進し、11年の技量審査場所でブラジル出身初の新入幕を果たした。最高位は関脇で、幕内在位60場所で三役は4場所務めた。東十両11枚目で臨んだ昨年7月の名古屋場所で5勝10敗と負け越し、次の秋場所で12年守り続けた関取の座から陥落して引退を決断。その後は年寄「友綱」を襲名。引退時は大島部屋に籍を置いていたが、今年6月に浅香山部屋に移って後進の指導に当たっている。

16年の力士人生。その象徴となるマゲに別れを告げた友綱親方の顔には未練の色が全く見えない。浅香山部屋の部屋付き親方として「厳しいだけではなく、若い衆の心のよりどころとなれるようになりたい」と目指す親方像を語った。自身に続けとばかりに、ブラジルの有望株を発掘する意欲もみせた。【平山連】