大関霧島(27=陸奥)が初優勝を飾った。1回戦は前頭竜電、2回戦は北青鵬をともに寄り切って8強入り。準々決勝は関脇若元春を上手投げで仕留め、準決勝は前頭遠藤を寄り切った。決勝は前頭明生を上手ひねりで破り、トーナメント戦で初優勝を飾った。

表彰式後に報道陣に対応し「初めてなので、うれしいですね。次につながる」と笑顔。師匠の陸奥親方(元大関霧島)も優勝経験者。師弟そろっての優勝に「いい“アレ”ですね」と、また笑った。とっさに言葉が出なかっただけと思われるが、期せずしてプロ野球阪神の優勝を思わせるセリフで喜びを表していた。

かど番で迎えた9月の秋場所は、13日目に勝ち越しを決め、最終的に9勝6敗だった。大関として2場所目、初めて皆勤した場所だったが、優勝争いには絡めず、満足できる成績ではなかった。それだけに、次の九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けて「大関に上がって、優勝もして、すばらしい1年だった。1年、最後の場所なので、優勝を目指して頑張らないと」と、自らに言い聞かせるように話した。

4日から始まる秋巡業では「最初の3、4日とか、1週間ぐらいはケガに気を付けないといけないので、体をつくってから、申し合いもしていきたい。そこからは、できるだけ休みなしで稽古していきたい」と、稽古の虫らしく、巡業の朝稽古から周囲も自身も盛り上げていくつもりだ。