大相撲九州場所で13勝2敗で4場所ぶり2度目の優勝を飾った大関霧島（27＝陸奥）が、優勝から一夜明けた27日、福岡市内の陸奥部屋で会見した。

「霧島のしこ名をもらって、優勝できてうれしいです。昨日はよく眠れたので、今は落ち着いてます」と大関に昇進してから初めて抱いた賜杯への実感を込めた。

昇進3場所目の今場所は7日目から無傷の9連勝で、幕内最年少の新鋭熱海富士との優勝争いを制した。場所前から豊富な稽古で充実の調整ができたことが、土俵上の落ち着きにつながった。自信を持って目の前の一番に臨み、モンゴル勢100度目の優勝＆初めて年間最多勝（62勝）に輝いた。春場所で初優勝、夏場所後には大関昇進、そして年納めの九州場所で2度目の賜杯。実り多き1年を笑顔で締めくくった。

前夜、支度部屋で一門の関取衆や後援関係者らと喜びを分かち合った際に、愛娘のアヤゴーちゃん（3）を抱き上げて満面の笑みを浮かべた。「家族を呼んで子どもと一緒に写真を撮る優勝力士を見たことがあった。（3月の）大阪場所で優勝したけど優勝決定戦だったので、わざわざ呼んで負けたら嫌だなと呼ばなかった。今場所は14日目に熱海富士に対戦して勝てたら来て、と奥さんに言っていた。家族と一緒に万歳ができてよかった」。

「相撲が大好き」という3歳の長女のことを尋ねられると、「自分の負ける時にすごく泣き、勝った時は走り回る。取組前には神様にお願いしている」とけなげな姿にデレデレな様子。親として一層気合が入った様子で、「宇良や貴景勝も応援しているけど、やっぱり自分がナンバーワンみたいです」と笑わせた。妻のホランさんと長女の支えが大きな原動力になっていると感謝し、「今回の写真は良い記念になった。これから何回も記念写真を撮りたいね」と破顔した。

昇進4場所目となる来年初場所（1月14日初日、東京・両国国技館）で初の綱とりに挑む。江戸時代から数え73人しかいない横綱はまさしく「一番上、神様」みたいな存在に映る。入門以来抱いてきた夢の地位が近づいてきたが、「あんまりそこは考えずにいく」と引き締める。師匠の陸奥親方（元大関霧島）が来年4月に定年を迎える前に決めたい気持ちはある。「人生の中での一つの夢をつかみたい。いつも通り15日間けがなく頑張ります」と、さらなる精進を誓った。【平山連】