大相撲の横綱大の里(25=二所ノ関)が、秋場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けてV字回復で調子を上げた。
6日、千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた、二所ノ関一門の連合稽古に参加。大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)と三番稽古を行い、計15番で12勝3敗だった。前日5日に行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見では、横綱豊昇龍、琴桜との申し合いで3勝8敗と振るわなかったが、劇的に復調した。
稽古後、大の里は「昨日があまり良くなかった分、しっかりと反省して、今日できたかなと思います。昨日がバラバラだったので、今日は自分自身、少し危機感を感じて稽古に挑めたと思うので、それがよかった」と、自身も復調を感じていた。
15番取ったうち、ほとんどが立ち合いで琴桜の鋭い踏み込みに、1度は後退する形となった。この体勢が意図的につくり出したものなのかどうかは、大の里はけむに巻いたため不明。ただ、立ち合いで押し込めないと、引いて呼び込んでしまう悪癖が顔をのぞかせてきただけに、押し込まれてからの逆襲という新たな形に自信を深めた様子。「昨日と違って、下半身は安定していたと思う」とうなずいた。
さらに、この日目立ったのは、これまで、ほとんど見せたことがなかった「もろ差し」だった。右を差し、左はおっつけというのが、これまでの大の里の定番の形だった。それがこの日、左を巻き替えてもろ差しになり、胸を合わせて危なげなく寄り切る取り口が増えた。「しっかり相手を見て対応することができた。腰も下りていたと思う」。<1>右差し、<2>左おっつけ、<3>右上手というこれまで身に着けてきた武器に、新たに「もろ差し」が加わりそうな気配だ。
これには見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も「よく体が動いていたと思う。昨日の内容とは違う。立ち合いも、だいぶいい感じになってきたと思う。いいと思いますよ、先場所よりは」と、初日まで1週間余りの状態としては合格点をつけた。
優勝した5月の夏場所も、場所前の稽古総見では豊昇龍に1勝8敗など振るわなかった。だが、その後、二所ノ関親方から合格点をつけられる稽古内容で、見事に復調している。前日の稽古内容で前評判が下がりかけた大の里。誰よりも大の里の稽古を見ている師匠の合格点で、秋場所の優勝候補の本命に再浮上した格好だ。
新横綱だった7月の名古屋場所は、11勝4敗に終わった。その先場所を「あまり良くなかった分、もう1度、自分で考えて、初日に間に合うよう最善の準備をして、同じ失敗をしないように頑張ります」と、教訓にするつもりだ。先場所は琴勝峰に平幕優勝を許したが「やれることをやって、また先頭に立てるよう頑張りたいと思います」と、通算5度目、横綱として初優勝を目指す決意だ。

