8場所ぶりに幕内に復帰した東前頭16枚目の友風(30=中村)が、西前頭16枚目の錦木(35=伊勢ノ海)に勝った。鋭く立ち合い、相手に何も差せないまま押し出した。

「いい意味で、らしくないいい初日。こんなにいい相撲が初日から取れるとは思ってなかった」と振り返る会心の一番だった。幕内で初日を白星で飾るのは、6年ぶりだった。

西前頭3枚目だった2019年九州場所で右膝に大けがを負った。7場所休場し、序二段から出直し。2年以上かけて幕内に戻ったが、昨年名古屋場所から7場所連続で十両だった。

8場所ぶりの幕内は、空気が違った。「尋常じゃないくらい緊張して。出てない汗が出た。土俵にいる時、観客の数を見てぶわーってこみ上げるものがありました」。

そんな中での白星発進。右膝から下にまひが残っており、感覚がなく、右足首は動かない。ケガを負った当時、師匠だった先代尾車親方(元大関琴風)はNHK大相撲中継の解説で「頭が下がる」と絶賛した。

先代は今場所前、食事会を開いてくれた。「嘉陽や宮乃風には叱咤(しった)ですが、僕の場合、褒めてくれる。ありがたいし、やりがいがある。うれしいっすよ、本当に」と感謝した。

右足が不自由という事情もあるため、「変わらず一番一番です。ケガなく最後まで頑張りたい」と謙虚に言う。「ベテランって、言われますが、右足一本動かないんで、チャレンジャーでいきたい」とほほえんでいた。【佐々木一郎】

【大相撲秋場所】全取組結果はこちら>>