新小結安青錦(21=安治川)が、東前頭2枚目の伯桜鵬を寄り切って8勝2敗で勝ち越した。負け越しなしで三役に昇進し、新三役場所でも勝ち越した力士は1991年春場所の曙以来34年ぶり。史上最速の所要12場所で新小結となったウクライナの新星は、最速の通算100勝を9日目に達成したばかりで角界の記録を次々と塗り替えている。横綱豊昇龍は10連勝で優勝争いの首位を守った(記録は全て付け出しを除く)。

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立ち合いから低い体勢で入った。左手で相手のまわしをガッチリつかむと、もう離さない。「師匠(安治川親方)から言われたことをやった結果」。じたばたと抵抗する伯桜鵬にも動じず、そのまま土俵の外へ押し出した。

序ノ口デビューから負け越し知らずで、史上3人目の三役入りを遂げた。それだけでなく、新三役場所での勝ち越しは34年ぶり。91年春場所で新小結となって8勝7敗だった元横綱の曙以来2人目となった。記録ラッシュも、本人は「場所中にしっかりやってきたから。特別な思いはない」と気にする様子はなかった。

9日目には初土俵から通算100勝を達成。初土俵から13場所目での到達は、幕下7日制となった60年の名古屋場所以降で最速の記録にもなった。先場所は、新入幕から3場所連続で11勝と三賞受賞。年6場所制となった58年以降最速の所要12場所で新三役に昇進した勢いが、とどまらない。

体重は幕内平均(158・2キロ)を大幅に下回る140キロ。5月の夏場所前に138キロから増加しているものの「あまり食べられないから、いろいろ工夫しているみたい」。安治川親方(元関脇安美錦)がそう明かす中、おかみさんの絵莉さんから食事面の知識を得るなど日々努力している。

部屋創設後、初の大関昇進を目指す21歳。10連勝で首位独走の横綱豊昇龍との直接対決も控えるが、怖いほど自然体で「これからじゃないですか? 盛り上げられたらいい。お客さんに喜んでもらえたら」と安青錦。あと5日間で2差を逆転できるか。【泉光太郎】

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