西十両3枚目の錦富士(29=伊勢ケ浜)が、同13枚目の朝乃山(31=高砂)を上手投げで破り、ともに10勝3敗に並んだ。
「本場所で1番負けられない相手。挑戦者の気持ちで。本場所1番の当たりだった」。立ち合いから強気に突っ込む。土俵際に追い込むと、最後は相手の左足を浮かせて転がした。
142年続く青森県出身の幕内力士の歴史が途絶える危機となった本場所ではすでに9勝を挙げ、「幕内昇進」への可能性を得た。
しかし、12日目は東十両5枚目の栃大海(25=春日野)に敗れ、連勝は「6」でストップ。「昨日(25日)に負けたのはいい機会になった」。まだ、来場所への再入幕は保証されたわけではない。錦富士自身もそれを分かっている。
十両優勝の可能性も残し、初顔合わせとなった2歳上の朝乃山とは、大学時代から続く間柄。「ごはんに連れて行ってくれたりする大好きな先輩。思い入れのある相手だった」。尊敬する“兄”から白星をもぎ取ったことは今後の自信へとつながる。
「今日のことは置いておいて、目の前の1番に集中したい」。2度目の十両優勝へ、1差で追うのは、首位で西十両11枚目の朝白龍(26=高砂)。残り2日、約1世紀半の歴史をつなぐため、力を振り絞る。

