[ 2014年6月27日8時38分

 紙面から ]後半、ハットトリックを決め笑顔を見せるスイスのシャキリ(AP)<W杯:ホンジュラス0-3スイス>◇1次リーグE組◇25日◇マナウス

 スイスMFシェルダン・シャキリ(22=Bミュンヘン)が、W杯史上50回目のハットトリックを決めた。「絶対に忘れない、いい思い出になる。W杯でハットトリックできるなんて」と興奮気味に喜んだ。身長169センチの体で、スピード、力、技術、得点嗅覚を凝縮した3ゴールだった。

 前半6分、右サイドから相手選手を振り切りながら中央へドリブル突破し、強烈なミドルを突き刺した。31分にはカウンターから快足を飛ばして味方のパスを足元に収め、冷静に2点目。後半26分には縦パスに駆け上がると、ゴール正面のスペースにタイミング良く抜けだしてボールを受け、ゴールに沈めた。すべて得意の左足で決めた。

 18歳で臨んだ前回大会は、同じホンジュラス戦で途中出場しW杯デビュー。しかしシュート1本に終わり、チームも1次リーグで敗退した。4年間で高めた能力で、スイスでは自国開催だった54年大会のヒューギ以来2人目のハットトリック。その時以来の8強進出へ、決勝T初戦ではメッシ擁するアルゼンチンに挑むが「相手は格上だが、できることは何でもやって勝ちにいく。結果はやってみないと分からない」と意気込んだ。

 ◆シェルダン・シャキリ

 1991年10月10日、コソボ生まれ。アルバニア人の両親の元、幼少期にスイスに移住。09年にバーゼル(スイス)に入団し、12年からBミュンヘン。10年の欧州選手権予選イングランド戦で代表初得点。169センチ、72キロ。

 ▼通算50回目のハットトリック

 スイスMFシャキリが達成。ドイツMFミュラーに次いで今大会2人目。W杯通算46人目で区切りの50回目。スイスでは54年大会準々決勝オーストリア戦のFWヒューギ以来、60年ぶり2人目。54年大会のスイスは自国開催で同国最高の8強。