[ 2014年7月12日7時47分

 紙面から ]4日、準々決勝コロンビア戦でスニガの右膝を腰に受け負傷退場するネイマール

 腰椎(ようつい)を骨折したW杯ブラジル代表FWネイマール(22=バルセロナ)が10日、ベースキャンプ地テレゾポリスに戻り、1週間ぶりにチームに合流した。歩いて記者会見に姿を現し、下半身不随などの重傷にならなかったことを「神のご加護」と感謝し、感極まって涙した。ネイマールはオランダとの3位決定戦(日本時間13日午前5時)に同行し、仲間を鼓舞する。

 思わず涙が頬を伝った。私服でリオデジャネイロ近郊の練習場に姿を現したネイマールは、チームメートのサインが入った背番号10のユニホームを着て、記者会見に臨んだ。約40分の会見中、コロンビア戦での腰椎骨折のケガについて聞かれると「神のご加護があったと思う」と話し、感極まって涙した。

 神のご加護-。予想外のコメントの意味について、こう続けた。「あのプレーについて話すのは難しい。自分のサッカー人生にとって重大なことだった。でも、ケガがあと2センチ中央寄りだったら今、車いすに座っていたかもしれない」。自らの足で立ち、また大好きなサッカーができる。今はそれだけで十分だった。8月5日からは所属するバルセロナでリハビリに入る。

 とはいうものの、負傷した4日の準々決勝コロンビア戦からこの日まで、精神的な浮き沈みがなかったといえばうそになる。準決勝のドイツ戦(8日)を自宅観戦した際には、1-7の大敗に「こんなクソ試合は見たくない」と激怒。ポーカーに興じたことを地元メディアに批判された。ケガを負わされたコロンビアDFスニガからは謝罪の電話も受けたが「意図的かどうかは分からない。でもサッカーを知っていれば、あれが普通じゃないチャージだと分かるはず」と、完全に許したわけではない。

 それでもブラジルが復活するには、エースが前を向かなければ始まらない。ピッチに姿を現すとファンからは大歓声が起きた。チームの雰囲気は一気に明るくなった。「ドイツ戦での大敗は長い間、我々を傷つけ続けると思う。でもより良い日は必ず来る」。3位決定戦は、18年W杯ロシア大会で王座を奪回するための第1歩。ネイマールはピッチには立てないが、仲間を鼓舞して明るい未来へとつなげたい。