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主演男優賞−松山ケンイチ「マイ・バック・ページ」「GANTZ」ほか

松山ケンイチ
主演男優賞を受賞した松山ケンイチ。写真を撮られるのは「ちょっと苦手」と口にしたが、いざ撮影が始まるとスッと渋くポーズを決めて一瞬で前言を覆された(撮影・松本俊)

【受賞発表記事】

 松山ケンイチ(26)が映画「ノルウェイの森」「GANTZ」シリーズなどで、主演男優賞を獲得した。

 松山は今年、主演および主演級で5作品に出演した。村上春樹氏の世界的ベストセラー小説が原作の「ノルウェイの森」、アクションもあった「GANTZ」2作品、独身男性が子供と一緒に暮らす「うさぎドロップ」、過激派の男を演じた「マイ・バック・ページ」。中でも「これ以上出せって言われても、もう何も出ないよっていうくらいだった」というほど自分を絞り出した作品が、昨年12月に公開された「ノルウェイの森」だった。

 「去年、どこにも(賞に)入らなかったので、評価されなかったのかなと思っていました。だからうれしいです。賞もあんまりいただいてないんで励みになります。報われた、というんですかね」

 トラン・アン・ユン監督は、松山がこれまでに出会ったどの監督とも異なっていた。俳優とともにモニターを見て芝居を細かく修正する手法を経験し、一緒に作り上げた実感を持った。「どっぷりつかれた作品。でも、こういうやり方に慣れちゃったら、ほかの作品ができなくなっちゃう」と、ぜいたくな時間を振り返った。同監督とは今もメールをやりとりしている。また一緒に? と聞くと「もちろんやりたいです。英語も勉強中です」と話した。

 新しい監督との出会いはさらに、自身が監督になるという夢も描かせた。「いつかしてみたい。ただ、自分は芝居のことしか見えないと思うので、細かいことを見てくれる『本物の監督』に横にいてもらわないと」と苦笑いした。

 今年は私生活でも転機の年だった。4月に女優小雪と結婚し、来年には子供が生まれる。「人間的な成長があっておもしろい役ができるんだと思います。結婚して子供が生まれることを、経験してるのとしてないのとでは違う。説得力がある芝居ができるように頑張りたい。楽しみです」と喜んだ。小雪には真っ先に受賞を報告した。「『いただきました』って言ったら『良かったね』って」。

 映画の現場が何より好きと話すが、来年1年はNHK大河ドラマ「平清盛」に集中することになる。取材日も、役作りで1年以上切っていない髪を帽子に収めていた。「大河が終わったらまたいい作品に呼んでもらえるよう頑張ります」。2012年、公私で大きな経験を積む26歳は、その後も見据えて前に進み続ける。【小林千穂】

[2011年12月6日 紙面から]

 ◆松山(まつやま)ケンイチ 本名・松山研一。1985年(昭60)3月5日、青森県生まれ。01年にモデルとしてデビュー。03年「アカルイミライ」で映画初出演を果たした。05年「男たちの大和/YAMATO」で人気に。06年には「デスノート」のL役で注目され、08年の映画「デトロイト・メタル・シティ」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞にノミネートされた。来年3月に「A列車で行こう」が公開される。今年4月、女優小雪と結婚。180㌢、60㌔。血液型B。

 ◆「マイ・バック・ページ」 70年代初頭、新聞社の週刊誌記者・沢田(妻夫木聡)は過激派の若者たちを取材する中、梅山(松山)という男と接触する。先輩記者に警告されたが、「武器を奪い行動を起こす」と言う梅山に、沢田は巻き込まれていく。山下敦弘監督。

 ◆「GANTZ」 酔っぱらいを助けようとした加藤(松山)は、友人の玄野(二宮和也)と電車にひかれたが、死んだはずの人々と目が覚めた。そして、黒い球体=ガンツが、狙う敵を指示する。2作目は「―PERFECT ANSWER」。佐藤信介監督。

 ◆「うさぎドロップ」 独身のサラリーマン、河地大吉(松山)は祖父の葬式で、隠し子のりん(芦田愛菜)と出会う。親類が当惑するのを見た大吉は、りんと一緒に暮らすことになった。2人の生活と周囲の人々との交流を温かく描いた。SABU監督。

 ◆「ノルウェイの森」 ワタナベ(松山)は、高校時代、友人を自殺で亡くしていた。友人の恋人だった直子(菊地凛子)とはそのまま疎遠になったが、上京後に偶然再会する。2人は引かれ合うが、ワタナベは、緑(水原希子)にも心を奪われる。トラン・アン・ユン監督。

主演男優賞・選考経過
 「ノルウェイの森」などの松山ケンイチと「ツレがうつになりまして。」の堺雅人がデッドヒートを演じた。「松山さんは使い勝手の良さがある」(浜田奈美氏)「松山さんを推したい」(福岡翼氏)などの声と、「堺雅人さんの『ツレうつ』での演技は抜群だった」(桑田潔氏)などの意見に分かれたが、決選投票の結果、わずかな差で松山に決まった。
日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞
  受賞作品/受賞者 記事
作品賞 「一枚のハガキ」
  新藤兼人監督
受賞発表記事
授賞式記事
監督賞   新藤兼人監督
  「一枚のハガキ」
受賞発表記事
授賞式記事
主演男優賞   松山ケンイチ
「マイ・バック・ページ」「GANTZ」「うさぎドロップ」
「ノルウェイの森」
受賞発表記事
授賞式記事
主演女優賞   宮崎あおい
「ツレがうつになりまして。」「神様のカルテ」
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助演男優賞   西田敏行
「探偵はBARにいる」「はやぶさ/HAYABUSA」
「ステキな金縛り」
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助演女優賞   加賀まりこ
「洋菓子店コアンドル」「神様のカルテ」
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新人賞   井上真央
「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」「八日目の蝉」
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外国作品賞 「英国王のスピーチ」
  トム・フーパー監督
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石原裕次郎賞 「探偵はBARにいる」
  橋本一監督
受賞発表記事
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石原裕次郎新人賞   該当者なし
ファン大賞 「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
  山崎貴監督
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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