櫻坂46小林由依(24)の卒業コンサートが、31日から2日間、東京・代々木第1体育館で開催される。加入から8年半、改名前の欅坂46時代からグループを支え続けた功労者だ。ラストステージを前にした率直な心境と、ファンへの思いを伝えた。【横山慧】

柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)
柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)

2月1日の卒業コンサート2日目公演をもって、約8年半のアイドル活動にピリオドを打つ。大きな節目を前にしても、小林はいたってフラットだ。「なんだか卒業が初めての感覚じゃない感じがします。メンバーの卒業も見てきたので、流れに慣れているというか。満足しているほうが強いというか…」と表現した。

15年8月に加入した一期生も、気付けば残り4人となった。「一期生の卒業生も増えて、よく『寂しいですか?』って聞かれるんですけど、それよりも『お疲れさま』って気持ちのほうが大きいかもしれません」。さまざまな苦楽を共にした一期生たちの絆は唯一無二だ。中でも小林は、特に「お疲れさま」とねぎらわれる存在かもしれない。

高いダンススキルと表現力で、中心メンバーの1人として常に最前線で活躍。18年末の「NHK紅白歌合戦」では、当時パフォーマンスを伴う活動を休止していた平手友梨奈(22)に代わってセンターを務めるなど、プレッシャーのかかる場面も数多く任されてきた。「すごい体験だったな、と思います」。ほほ笑みながら回想した。

20年に欅坂46から櫻坂46に改名。グループの個性を模索しつつ磨いたが、22年には16年から続いていた「NHK紅白歌合戦」の連続出場が途切れた。「実は、2023年が明けた瞬間に『今年いっぱいで』と決めたほうがやりやすいかな、と思いました。やることがフワッとしているよりは、そのほうがいいと思って」と告白した。

最後の年として臨んだ昨年、パリやマレーシアなどで初の海外公演を実施し、11月には千葉・ZOZOマリンスタジアムで初の屋外スタジアム公演も成功させた。「1年間メンバーのみんなもすごく頑張ったし、スタッフさんもたくさん考えてくださったし。私も、すごくやり切った感じがしました」。11月に卒業を発表。年末には2年ぶりの紅白にも返り咲いた。

柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)
柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)

卒業コンサートに向けて「『私がここにいましたよ』ってことを、ちゃんと伝えられれば」と意気込んだ。加入1年の三期生も頭角を現し、グループの厚みも増した。「壁もないですし、メンバーの関係性も本当にいい雰囲気です。満開に向けて準備をしているので、ライブで『今、本当に咲き誇っているな』って感じが伝わったらうれしいです」と呼びかけた。

「ファンの方々には、裏側のこととかは考えないで、とにかくステージを楽しんでほしいんです。もし私たちが大変なときも、ファンの方が私たちと一緒に悲しんだりしてほしくないんです。『やっぱり櫻坂はカッコいいなぁ』と感じてくれれば。これからの櫻坂も、ライブとか楽曲とかを安定して届けて、ずっとファンの方々を喜ばせてあげてほしいです」

くぐり抜けてきた修羅場の数が、言葉の説得力を増している。「やっぱり小林由依はカッコいいなぁ」と誰もがうなるような卒業コンサートになりそうだ。

◆小林由依(こばやし・ゆい)1999年(平11)10月23日、埼玉県生まれ。愛称「ゆいぽん」など。昨年舞台「隠し砦の三悪人」出演。161センチ。血液型A。

柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)
柔らかな笑顔を浮かべる櫻坂46小林由依(上山陽介氏撮影)