平成中村座「陽春大歌舞伎」(4月1日~5月3日、東京・浅草寺境内)の会見が12日、都内で行われ、中村勘九郎(33)中村七之助(31)が出席した。

 3年ぶりの平成中村座公演で、昼の部「勧進帳」で勘九郎が富樫、七之助が義経、「魚屋宗五郎」で勘九郎が宗五郎、七之助がおはま、夜の部「三笠山御殿」で七之助がお三輪、「高坏」で勘九郎が次郎冠者を演じる。勘九郎が「感謝しかない。この後が重要になる」と言えば、七之助も「楽しむだけじゃなく、いろいろなことを考えると思う」。

 勘九郎の長男七緒八君(4)は「三笠山-」の豆腐買娘で初の女形に挑むが、勘九郎は「この間、衣装とかつら合わせしたけど、おとなしくしていた」。ファンサービスで、ディズニーランド好きだった父勘三郎の目をかたどった「隠れミッキー」ならぬ「隠れ勘三郎」を劇場内に18カ所つくるという。「ちょうちんとかトイレに置こうと思っている。ただ、男性用じゃ、父も『嫌だよ』と言うと思うので、女性用だけにします」。

 2月に勘三郎さんの盟友だった坂東三津五郎さんが亡くなったが、勘九郎は「父以上に教わっていた。困ってます」と言えば、七之助も「いろいろと教えてくれたし、とても厳しかった。これから大変だと思う」と厳しい表情で話した