ジェイソン・ステイサム(59)にはアクション俳優としてまだまだ現役感がある。

イメージにぴったりの孤高のアウトローにふんしたのが「シェルター」(28日公開)だが、共演は「ハムネット」で個性を光らせたボディ・レイ・ブレスナック(15)。父娘のような絆がストーリーの芯になって、「心優しき守護者」の役回りには新味がある。

スコットランド沖の孤島で暮らすメイソンは愛犬だけが友だ。ステイサムの眼光でただの世捨て人には見えない。生活物資は少女ジェシー(ブレスナック)がその叔父が操る船で運んでいるが、ある日の嵐で船は沈没。ジェシーだけがメイソンによって助け出される。不器用な2人の間にやっと絆が芽生えた頃、重武装の部隊が突然島を襲う。

メイソンは元特殊部隊員で、MI6の抹殺リストに名の載ったお尋ね者だったのだ。驚異的な戦闘スキルで危機を乗り切ったメイソンは、機密情報を知ったことで命を狙われることになったジェシーとともに脱出するが…。

襲撃部隊が装備した最新兵器を、手作り感たっぷりのメイソンの技が無効化していく。くすんだ色合いを背景に、英国出身の2人が醸し出す雰囲気で、ブリティッシュ・スパイスリラーの匂いが色濃く漂う。

逃走劇の過程で、メイソンを追う元MI6長官マナフォートの方に非があることがしだいに明らかになっていく。この悪役には英名優ビル・ナイがふんする。心憎い配役だ。ロサンゼルス出身だからだろうか、リック・ローマン・ウォー監督は作品を通じて英国臭さにこだわっている。

鈍い音が聞こえてくるようなステイサムの格闘シーンには説得力があり、デビュー2年目のブレスナックからは純朴な思いが自然ににじんでいる。

アクションシーンそれぞれには工夫を凝らしながら、ストーリーには奇をてらわない王道の展開が気持ちよかった。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)