河瀬直美監督(48)が、仏女優ジュリエット・ビノシュ(53)と永瀬正敏(51)をダブル主演にした新作映画「Vision」(来年公開)の製作に入ったことが7日、分かった。河瀬監督が主演に海外俳優を起用するのは初めて。

 ビノシュはエッセイストのジャンヌを、永瀬は吉野の山々を守る山守の男、智(とも)を演じる。2人の出会いと交流を描き、全編、奈良県で撮影される。まずは今月下旬まで行い、再び11月から12月にかけて撮影される。

 河瀬監督とビノシュは、今年5月のカンヌ映画祭で、関係者を介して初対面した。互いの第一印象を「存在感が圧倒的」と口をそろえ、同時に映画製作へと動きだした。

 河瀬監督は「彼女と映画を作りたいと思った瞬間から、すべて準備がパズルのピースのように奇跡的にはまった」と話し、ビノシュも「河瀬監督が紡ぐ表現方法は独特ですばらしい。日本の地方を訪れてみたいと思っていた夢がかないました」と、念願だったとした。ハリウッド作品の撮影に入っていたが、調整して来日した。