5月に脳梗塞で倒れた落語家桂ざこば(70)が、今月初めに復帰後初のロケに参加し、その模様が24日、発表された。

 番組は、カンテレ「とらぶる? トラベル! 2017」(29日午前9時50分=関西ローカル)で、14年以降、毎年末にますだおかだの増田英彦(47)岡田圭右(49)とともに、1年の疲れを癒やしてきたロケ・バラエティー。4回目の今年は、和歌山の那智勝浦、白浜温泉などを訪ね、クエ料理も堪能した。

 待ち合わせは、大阪市北区のカンテレ本社前。増田、岡田と復帰後初めて、再会したざこばは「今年はロケに行けるなんて、ありえないと思うてた。うれしいねんけど、ほんまは泣きそうやった。おふたりに引っ張っていただいて、ありがたいと思っています」と、涙を懸命に我慢してロケへ出発したという。

 ざこばは5月に倒れ、舞台を降板。7月には落語会へ出演し、すでに演目を演じる本格的な高座復帰も果たしているが、テレビへの出演は抑え、今回、復帰後初のロケになった。

 リハビリ中は「テレビを見ていても、何を言うてるのか全然わからへんかった」と苦悩を振り返り、「嫁はんや娘もようやってくれて、ほんまにおおきにと思う。(米朝)一門も、ざこばにおもろいこと、しゃべらそうと、みんなリハビリ(のため)に来てくれた」と家族や仲間への思いも語った。

 ロケ中、ざこばの体調を考慮して、増田、岡田が2人で、那智の滝へ「延命長寿の水」をくみに行き、受け取ったざこばは「これで短命でもかめへん。水飲んで延びた命やと思う。ほんまならもっと短い命やったかもわからん。ありがたい」と、感謝しきり。

 対して、増田は「今年、師匠の病気のニュースを見たとき、体のことを心配し、元気になられたっていう記事を見ても、さすがに、年末にこのロケは無理やろうなって思っていた」とポロリ。岡田も「師匠は病気を超えてきたんで、出ていただくだけで十分」とコメントした。

 そんな愛情たっぷりのコメントに、ざこばは「今日は、足引っ張って申し訳ないなぁと思うねん」。恐縮するざこばだったが、増田、岡田の2人は「これまではロケ中に『酒飲みたい』って、飲みまくって、師匠の体の心配もせなあかんかった。(今年は)今までのロケで一番楽でした」。これを聞いたざこばは、笑いながら「だいぶ迷惑やったんやな!」と返していた。

 ざこばは倒れた後、酒もタバコも控えてきたが、所属事務所によると、飲酒については医師の許可がおりて、9月21日の古希の誕生日から「晩酌程度には、たしなんでいる」そうだ。ただし、タバコについて、ざこばの担当者は「継続して禁煙しています」と話している。