作家の乙武洋匡氏(41)が、顔面黒塗り問題で注目を集めるダウンタウンの浜田雅功(54)について、共演時の対応から「差別も区別も、そして遠慮も感じることなく接することができた数少ないタレントの一人」と印象を語った。

 乙武氏は15日、ブログを更新。昨年の大みそかに放送された日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の特番「絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!」で、浜田が俳優エディ・マーフィーが映画「ビバリーヒルズ・コップ」で演じた役柄をまね、顔全体を黒く塗った姿で登場したことで物議をかもしている問題に触れた。

 乙武氏はスポーツライターとして活動していた当時の取材相手や、バラエティー番組に出演し始めた当初には共演者の中に、自身に対して差別する気持ちがないながらもどう接してよいのかわからず戸惑っている様子を見る機会が少なからずあったという。そうした相手に対する申し訳ない気持ちをつづるとともに、番組で初共演した浜田からは、ボケに対して容赦ないツッコミを受けたといい、「それらのツッコミは、バラエティー番組に出演することにちゅうちょを感じていた私の心を見事に解きほぐしてくれた」「差別の心はもちろん、区別や遠慮も感じられなかった。それが何より私には心地よかった」と振り返った。

 乙武氏は議論を巻き起こしている“ブラックフェイス”問題については「『差別する意図はなかったのだから問題ない派』と『国際的な視野に立てば完全にアウト派』が意見を戦わせている。今後、国内での番組づくりにおいては、こうした議論に注意深く耳を傾けていく必要があるだろう」とした上で、「しかし、私が伝えたいのはそのことではない。今回、ブラックフェイスでやり玉に挙げられている浜田雅功という芸人は、つねに差別という問題と隣り合わせで生きてきた私にとって、差別も区別も、そして遠慮も感じることなく接することができた数少ないタレントの一人である、ということだ」とまとめた。