テレビ朝日系で放送中のオーディション番組「ラストアイドル」(土曜深夜0時5分)から生まれたラストアイドルファミリー5ユニットのインタビュー、第3回はLove Cocchi(ラブコッチ)です。放送中のシーズン2では、シングル(4月18日発売)の表題曲を争うユニット総当たりバトルであと1歩、及びませんでしたが、プロデューサーつんく♂(49)の細部にわたる絶妙な采配で、高い完成度を誇るユニットに成長しました。【森本隆、岡田隆志】

 

 Love Cocchiは、ラストアイドルファミリーで最後に結成されたユニット。初期のラストアイドル暫定メンバーはおらず、シーズン1の挑戦者5人が集まった。シーズン1番組最後の挑戦者となった山本愛梨(15)が、西村歩乃果(23)石川夏海(21)大森莉緒(16)中村守里(14)と組んで、2ndユニットとして活動を始めた。

 西村 出会って「初めまして」くらいのタイミングで、実はもうラストアイドルのシングル発売日が決まっていたんです。レコーディングのときも、「あ、どうも…」みたいな、よそよそしい感じだったよね。

 大森 確かに、お互いのことをあまり知らないまま始まったかも(笑い)。

 最年少14歳の中村は、引っ込み思案な天然少女。山本愛梨(15)は、アクターズスクール広島仕込みの確かな歌とダンスで、センターを務める。大森莉緒(16)は耳ざわりのいい美声が持ち味で、笑うことが大好き。石川はふんわり系ビジュアルと、マシンガントークのギャップが魅力。リーダー西村はいじられ役を買って出て、メンバー間の壁を取り払った。年齢差は9歳だが、それを感じさせない一体感のある雰囲気が、ユニットの特徴だ。

 西村 ラストアイドルファミリーの中では1番、ほんわかしてて「ゆるふわ」なグループだよね。

 大森 仲良し! 年の差はあるけど、それを感じないよね。家族みたい。

 西村 (下唇をかんで、発音良く)ファミリー! ファミリー!

 一同 (笑い)

 石川 ふわっとしてるけど、やるときはやる。だから…(審査員からの)票は1番取れた方じゃないかと思います。

 中村 大人組の2人(石川、西村)がおもしろくて、いつも元気で笑顔になれます。

 山本 挑戦者の5人で、最後に結成されたんですけど、シーズン2を通して、団結力がだんだん深まりました。基本は、お姉さん2人が引っ張ってくれてますけど、今では何でも言い合えるようになりました。

 西村 私は「目標に向かってどうすればそれが達成できるか、まず考えよう」って1人1人に言って、鼓舞していく役目です。

 石川 つんく♂さんみたいだよね。そういえば、見た目もつんく♂さんに似てるような…。

 西村 違うでしょ~!

 一同 (爆笑)

 西村 でも、私はみんなからいじられることに愛を感じてますよ。だから、こっちからもみんなをいじります。「かわいくないね~」とか(笑い)。うわべの関係じゃないってことの裏返しです。

 大森 みんなかわいいよっ!

 シーズン2のユニット総当たりバトルは、モーニング娘。’18などを手がけるつんく♂のプロデュース曲「青春シンフォニー」で戦った。

 西村 デビューしたばっかりで、最初は秋元さん、次がつんく♂さんって…。私たちはどれだけ恵まれているんだろうと思います。こんなチャンス、無駄にしちゃいけないなって思いました。

 石川 つんく♂さんには本当に感謝です。プロデューサーさんは誰になってもうれしかったと思うけど、つんく♂さんは親身になって、1つ1つ細かく見てくれました。

 西村 みんな変わったよね。ダンスも、気持ちも。振りなんて、昔の動画を今、見たりすると、みんな動きがフニャフニャなんですよ。

 山本 分かる~。

 中村 フワフワ~。

 石川 愛梨ちゃんは最初からダンスが超うまかったんですけど、それからさらにうまくなってるから、本当にすごいです。さらに磨かれたし、メンタルも強くなったと思います。

 山本 うれしい…。

 番組内では、5人が「つんく♂マジック」の体現者となった。衣装を変更したり、1人1人が路上ライブをしたりと、つんく♂からのきめ細やかな指示が飛んだ。中でも髪の長さは、つんく♂が最も力を入れたポイントだった。

 石川 私は髪を30センチくらい切ったんですよ!

 西村 (デビュー当時の石川のロングヘア写真を見て)「あの写真、誰?」って感じだよ?

 石川 相当長いもんね。

 西村 お化け…。

 石川 本当にお化けみたい(笑い)。

 大森 切って良かったよね。

 石川 今の方が好き!

 西村 切ることに1番、抵抗してたのに、1番似合ってるという…。

 中村 「もうやだやだ」って言ってたよね~。

 西村 赤ちゃんみたいに、駄々こねてた(笑い)。

 石川 だって、3、4年とか伸ばし続けてたんだよ? でも、「なるようになれ」で切ったら、誰も「前の方が良かったよ」という人がいなくて…。

 大森 まあ、そうね。

 西村 まあ、そうね(笑い)。

 一同 (爆笑)

 山本 私はもともと、今(の肩の長さ)よりも切る予定だったんですよ。肩につかないくらいまで。少し抵抗はあったんですけど、気持ちとか、気合とか、「このシーズン2に込めて、切ってみよう」と覚悟して、この長さまで切りました。

 石川 「何ミリ切って」とか、あったよね。

 山本 そう。「前髪を1ミリ切って」って言われました。「さわやかさを出すために」って。

 一同 細かい…。

 中村 私もかなり切りました。今までショートにしたことがなかったので、最初は「似合わなかったらどうしよう」って思いました。でも、思い切って切れたのは、つんく♂さんの指示だったからです。好評だったから良かった~。新しい自分を感じられました。

 大森 つんく♂さんは、本当に1人1人のことを見てくれているなって思いました。感謝の気持ちをパフォーマンスで表す方法とか、頭で考えるようになりましたね。「青春シンフォニー」の歌詞の主人公になりきって、「どんな子なんだろう」とかみんなで最初に考えて、最初に歌ったときより、表現できるようになったかなと思う。

 つんく♂の指令で、5人が別々の場所で路上ライブも行ったこともあった。人見知りの中村は、街行く人になかなか声をかけられず、意を決して声を掛けても素通りされたりと、メンタルも鍛えられた。

 中村 1人で、すごくつらかったです。全員そうだと思うけど…。でも、すごく鍛えられました。

 山本 声をかけても、普通に素通りされちゃって。メンタルにも来ました。でも、見てくれた方は、笑顔で手拍子してくれたり、「応援してます」と言ってくれたり、うれしかったです。やってよかったです。

 つんく♂からは「みんなで同じ景色を見るといい」とアドバイスされた。ところが…?

 西村 実は、みんなで一緒に山登りに行こうとしたんですよ。「一緒の景色を見よう」って。でも、結局行けたのは大人2人だけだったね(笑い)。

 石川 本当はみんなで行きたかったんですけど、みんな学生だったりしたので、私たち2人だけで行ったんです。

 山本 私も家が遠くて、行けなかったんです。

 大森、中村 行きたかった~。

 石川 みんなの分も、山で優勝祈願してきたよ。

 西村 山頂で2人で、「青春シンフォニー」を踊ってきました。あと、「表題曲、取るぞ~!」って叫んできました。

 一同 (爆笑)

 表現力、歌唱力は、バトルをこなすうちに成長の跡が見えてきた。開幕2連勝のラストアイドルに初めて土を付けるなど、3勝1敗の好成績の2位で決勝トーナメントに進んだ。ところが、準決勝ではジャッジの不運もあり、シュークリームロケッツに敗北。「山頂の誓い」は、夢に終わった。

 西村 あのパフォーマンスはMAXでした。自信を持てたからこそ、結果を聞いた瞬間、「うそでしょ?」って思いました。

 大森 私も「勝ったんじゃないか」と思いました。

 石川 「そうだ、これは夢を見てるんだ」って思いました。

 大森 「くそ~ぅ!」って言ってたよね。(石川を見ながら、モノマネで)くそ~ぅ(笑い)。

 中村 ずっと目をつぶってたよね(笑い)。

 西村 (MCのユースケサンタマリアから)「石川さん? 石川さん?」って言われて、(石川が)「…ういっ?」って目を開ける、みたいな。

 一同 (爆笑)

 大森 くそ~ぅ(笑い)。

 (ここで大森が、石川のモノマネで笑いが止まらなくなり、一時離脱)

 石川 だって、夢の中にいると思ったから…。でも、目を開けたら現実があった(笑い)。

 山本 頭が真っ白になっちゃったけど、後でステージ裏で審査員の方が褒めてくれたよね。

 西村 あの吉田豪さんが、うるうるしてた!

 石川 倉田真由美さんも「よかったよ。Love Cocchi」って、食い気味に言ってくださって。うれしかったです。

 3カ月にわたる表題曲バトルには敗れたが、審査員やファンをとりこにするパフォーマンスで、自信を付けた。

 石川 この期間で1人1人が強くなったと思う。しかも、みんなかわいいんですよ。もっと上に行けるはずだと信じてます。5人で「生で見たら1番いいユニットだね」って言われたい。現場派アイドルみたいな。

 西村 そうそう。記者さん、私たち、かわいくないですか(笑い)?

 中村 かわいいだけじゃなくて、歌ももっとうまくなりたい。つんく♂さんから教わった表現力も、スキルを上げていきたいです。できるなら、つんく♂さんにずっとプロデュースしてもらいたいなぁ。もっと髪を切るように言われたら…覚悟します!

 一同 (笑い)

 山本 ファミリーは今で25人だけど、2期生が入ってくるから、頑張って埋もれないようにしたいです。ファンの方の温かい言葉とか、家族の支えに恩返ししていけるようになりたいです。つんく♂さんからは、生き方も学べた気がして、人間としても大きく成長できたなと思います。

 石川 「自分とファンの方の1対1で、『私とあなた』を大事にして歌って」って言われたよね。あと、「負けて涙が出るということは、悔いが残ってるんだと思う。負けても涙が出ないくらい頑張れ」っていう言葉も、すごく心に響きました。でも、そういう感動的なことを、つんく♂さんは本番直前に言うんですよ。みんなウルウルしちゃって…。

 一同 (笑い)

 西村 この前、(関西コレクションで)ランウェイを歩いたんですけど、いつかは5人で歩けるようになりたい。この中からモデルさんが出てきたり、女優で頑張る子が出てきたらいいなと思います。歌える機会があれば歌いたいし、幅広い活躍をできるユニットになりたい。私は歌を頑張りたいです。

 大森 Mステ(ミュージックステーション)さんに出たいです! この間、らせん階段があるところで、歩乃果ちゃんと「Mステごっこ」をしたんです。

 西村 やったね~。

 大森 オープニングの音をかけて、階段を降りて、おじぎする練習をしました。準備はバッチリです(笑い)。あと、2期生が入ってくるので、埋もれないように、負けないように…逃げます!

 石川 逃げるって(笑い)。

 

 ◆Love Cocchi(ラブコッチ)山本愛梨(15)西村歩乃果(23)石川夏海(21)大森莉緒(16)中村守里(14)の5人組。ファミリー5ユニットで最後に結成された。山本は、暫定メンバーに1対1の戦いを挑むシーズン1の最後の挑戦者だった。ラストアイドルのデビューシングル「バンドワゴン」では、カップリング曲「失恋乾杯」を担当した。シーズン2では、つんく♂プロデュースで「青春シンフォニー」を歌った。センターは山本、リーダーは西村。