約3年半、Daiichi-TV(本社・静岡市)で活動してきた気象予報士の手塚悠介氏(35)が、今月で同局を卒業する。29日は、ワイド番組「まるごと」「news every.しずおか」の最終出演日。中継地の新静岡セノバ前には、約300人のファンが集まった。4月からは東京で活動。静岡を離れる前に、決断の理由、あふれる思いを日刊スポーツに語った。

 

 -3年半、お疲れさまでした。今の心境は

 手塚氏 正直、寂しいです。静岡のみなさんに、すごく応援していただいたので、離れがたいです。

 -率直に決断の理由は

 手塚氏 家族の問題と自分の目標です。実は、昨年12月に母を亡くしました。65歳でした。中継終了後、危篤と聞き、地元埼玉の病院に向かいましたが、到着30分前に旅立ちました。実家には残された父と祖母が2人で住み、近くに母方の祖父もいる。僕は気象予報士になった時から「活躍している姿を家族、親族に見せたい」と考えていたので、ここで決断しました。

 -相談した人は

 手塚氏 妻には。

 -既婚なんですね

 手塚氏 はい。セノバ前で聞かれた時は答えていましたが、交際5年で、16年5月19日に結婚しました。妻は都内で働き、静岡から新幹線通勤でした。

 -そういう事情もあったのですね。それでも、静岡に後ろ髪を引かれる

 手塚氏 セノバ前で、人の温かさに触れるうちに「このままずっと静岡で続けてもいいのでは…」と思うようにもなりました。悩みました。

 -「人気気象予報士ランキング」で2年連続1位にもなりました

 手塚氏 心から感謝しています。テレビ出演経験のなかった僕を採用してくれたDaiichi-TVさん、バックしてくださったスタッフ、アナウンサーの方々、セノバ前で、暑い日も寒い日もありましたが、会いに来てくださった方々が、優しく声を掛けてくださるので、とても励みになりました。ランキング争いの時期も「毎日、投票してます」と、ありがたい言葉をいただきました。

 -ところで、久保ひとみさんのむちゃぶりは、どうでしたが(笑い)

 手塚氏 毎回、焦っていましたよ~。何を言い出すか分からないですからね。でも、何かを返せば、久保さんが面白くしてくれるので、頼りにしていました。

 -さて、4月以降の仕事は決まりましたか

 手塚氏 当面は、全国ネットの情報番組で天気予報の原稿を書きます。出演の話もありましたが、最終的には決まりませんでした。ただ、今後も挑戦します。

 -期待しています。手塚さんは、食リポ、街リポもできますからね

 手塚氏 そうですね(笑い)。Daiichi-TVで経験は財産ですし、広がった幅を生かしたいです。「これからも静岡にいてほしいです」と言ってくさだった方には、申し訳ない気持ちですが、また画面でお会いできるように精進します。そして、単発でも静岡でお仕事があれば、喜んで参ります。東京で暮らしていても、静岡が大好きですから。【取材・構成=柳田通斉】