吉高由里子(29)が、日本テレビ系主演ドラマ「正義のセ」(水曜午後10時)の3カ月にわたる撮影がクランクアップを迎え「キャパを超えてしまって泣いている」と涙した。

 このほど、主人公の新米検事・竹村凜々子を演じる主演の吉高と、バディ役の検察事務官・相原勉を演じる安田顕(44)が、殺人事件の聞き込み捜査を進める海辺の街でのロケで、そろってクランクアップを迎えた。最後のカットを撮り終え、「吉高さん、安田さん、オールアップです!」とスタッフから声がかかると大きな拍手が湧き上がり、花束が吉高から安田へ、南雲監督から吉高へと手渡された。

 吉高は「ホッとしたのか、寂しいのか、たぶん両方なんですけど、この作品への思いが自分の中でずっと蓄積されていて、キャパを超えてしまって泣いている気がします。隣にいらっしゃる安田さんには、小さな声と大きな心でたくさん支えてもらいました」と涙ながらに語り、安田に感謝した。

 安田は「本当に忘れられない3カ月になりました。こんな40代のおっさんに主演の方のバディ役を演じる機会を頂いて、とても光栄でした。主演の吉高さんからは、人として大事なことを、たくさん教わった気がします。出会いに感謝したいと思います。ありがとうございました!」と吉高に感謝した。

 互いに感謝し合った末、吉高は「撮影の間、とにかくむき出しに取り組んできました。それを温かく見守ってくださったキャストのみなさん、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。やっぱり撮影現場が好きだなーと、現場に恋した3か月間でした」と3カ月の撮影期間を、惜しむように振り返っていた。

 13日放送の最終話では、凜々子(吉高)が衆議院議員・中条良成(宅麻伸)の長男・秀成(落合モトキ)が犯した殺人事件を担当する。秀成は、被害者の入江(佐藤祐基)にからまれ、身を守るために反撃したら殺してしまったと主張し、裏付ける目撃者も現れる。また、入江が過去に傷害事件を起こしていたことも発覚し、事件は秀成による正当防衛かと思われた。

 だが、凜々子と相原(安田顕)が捜査を進めると、入江の働いていた料亭の店主は「真面目な青年だった」と言い、恋人・笑子(岡本玲)も「穏やかで人に暴力を振るう人間ではない」と訴えるなど、入江の意外な素顔が明らかになる。凜々子は、この事件には表面上だけでは見えない真実が隠されていると感じる。

 その中、秀成の釈放を求め、父の中条議員が港南支部に姿を現す。毅然(きぜん)とした態度で拒絶する梅宮支部長(寺脇康文)だったが、中条は検察上層部への圧力をほのめかし、さらにはマスコミを動かし、世論を検察批判の流れに持っていこうとしていた。起訴判断を誤れば、検察庁全体が危機に陥ってしまうかもしれないという、いまだかつてない重圧の中、凜々子は事件の真相を追う。