TOKIO長瀬智也(39)が26日、都内で行われた主演映画「空飛ぶタイヤ」(本木克英監督)大ヒット御礼舞台あいさつで、人生で初めて観客に自ら大入り袋を手渡しした。

 長瀬が大入り袋を手に本木監督とスクリーンの入り口に並んでいると、中に入ろうとした女性ファンが「長瀬くん!!」、「ウワァ!」、「ウギャー」などと口々に叫んだ。あまりの衝撃に、その場で固まって長瀬の近くに寄れなかったり、じだんだのように足を踏んだり、勢い余って後ろの壁に飛び付く女性ファンもいた。

 長瀬が「どうも、ありがとうございます。どうぞ、大入り袋です」と呼び掛け続けたが、中には長瀬に気付かないままスクリーンの中に入ったり、入り口を通過してしばらくたった後、場内の通路で「ウギャー」と叫ぶ女性もいた、長瀬の横に、配る模様を撮影するカメラや照明があったこともあり、緊張してしまった女性も多かったようで、本木監督が通過していく女性に「(長瀬から受け取らないで)いいんですか?」と声をかける一幕もあった。

 長瀬は「(女性の観客は)緊張しているね。顔が強ばっているね」などと苦笑いしつつ、配った。大入り袋を渡された後、興奮のあまり握手を求めて詰め寄る女性には「おさわり、禁止なんですよ。あとで(壇上に)行きますんで!」と笑顔で声をかけた。

 長瀬は、大入り袋を配った後、舞台あいさつの壇上で「初めてなんでね、直々に渡させていただくのは。(観客が)笑顔になるのがキュンとする」と笑顔で感想を口にした。スケジュールの都合で、舞台あいさつ開始ギリギリに到着したというディーン・フジオカ(37)から「もう少し早く来ると、僕も長瀬さんからもらえたのかな?」と言われると、長瀬は「一緒に配ろうよ!!」と言い、笑みを浮かべた。

 「空飛ぶタイヤ」は15日の封切り後、65万人を動員し、興行収入は8億円を突破した。長瀬は「何が大ヒットか、僕には全く基準が分からない。いろいろな会社の人が喜んでいるから、良かった。1年前の撮影から1年かけてやってきたから、多くの方に見ていただけたのが良かった。池井戸潤先生の届いて欲しいメッセージも含め、届いたのかなと思います。50、100年後…監督は、もういない。我々もギリですよね。この作品が、その時代の誰かに響いてくれるといい」と感慨深げに語った。

 フジオカは「大ヒット御礼…めでたいですね。こういう形で、皆さんと、こういう場で改めてお祝いできるのは、とても貴重な体験。時代を超え見てくれた人の背中を押し、勇気を与える力のある作品だと思う」と語った。

 本木監督は前日25日に、主題歌「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」を歌うサザンオールスターズが東京・NHKホールで開いたデビュー40周年キックオフライブに行ったといい「きっちり、ど真ん中で新曲(『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』)を披露したけれど1箇所、歌詞を間違えていました。ご本人も分かっていらっしゃったと思いますが」と、桑田佳祐(63)が歌詞を間違ったと明かした。長瀬は「音楽は、真面目にやっちゃいけないことだと思っている。だからいいんだと思うんですけど、桑田さんは分かっていらっしゃる。人間的にリスペクトしています」と桑田への思いを語った。

 長瀬は観客を背にしたフォトセッションの際「智也~!!」と黄色い声援を浴びると「智也です。独身でございます」と言い、笑顔で会場を後にした。【村上幸将】