俳優岸部一徳(71)が28日、東京・TOHOシネマズ六本木で、映画「鈴木家の嘘」(野尻克己監督、11月16日公開)ワールドプレミア舞台あいさつに、原日出子(58)木竜麻生(24)加瀬亮(43)岸本加世子(57)野尻監督と出席した。

息子、浩一(加瀬)を失ったショックで記憶を無くした母(原)のため、残された家族は「浩一は生きている」とうそをつく。家族の死をきっかけに、絆を再生していく感動作。

野尻監督は今作でデビューし、脚本も自ら手掛ける。岸部は「脚本を新人監督が書くことは多くないので、いいなと思いました」。監督の実体験をベースにしたフィクションで「うっかりすると悲劇に持っていける脚本と、思わず笑ってしまうバランスの良さ。これは是非出たいなと思いました」と出演理由を明かした。記憶に残るシーンについて聞かれると「自分の出ているところは、全部印象に残ってます」と笑いを誘った。

野尻監督の助監督時代を知る加瀬は「初日に“監督”としている感じが面白かったです」と笑顔。当の監督は緊張感でいっぱいだったといい「(撮影が)始まって10日間くらいはトイレが出なくて」と便秘を告白。「しんどかったです」と照れ笑いしていた。