加藤シゲアキ(31)が名探偵・金田一耕助を演じる、フジテレビ系スペシャルドラマ「犬神家の一族」(24日午後9時30分放送)で、女優黒木瞳(58)松田美由紀(57)りょう(45)が、物語の舞台となる犬神家の3人姉妹を演じる。

黒木演じる犬神松子は、犬神家の当主・佐兵衛の長女。夫とは死別して、佐清という1人息子がいる。欲望渦巻く犬神家の遺産相続をめぐる争いの中でも、いかなる時も凜(りん)としたたたずまいを崩さない。

松田演じる犬神竹子は、佐兵衛の次女。息子の佐武をかわいがって、喜怒哀楽をストレートに表現する。

りょう演じる犬神梅子は、佐兵衛の三女。1人息子の佐智がいる。策略家で、ずる賢く遺産を狙っており、2人の姉に執拗(しつよう)なまでの反感を持っている。

黒木は「『犬神家の一族』という名作に出演させていただくことを大変光栄に思っています。多くの先輩方が松子を演じてこられました。身の引き締まる思いでいっぱいです。松子にとって、息子への愛情はとても純粋なものです。純粋だからこその狂気に挑戦します」。松田は「摩訶(まか)不思議な世界に、視聴者の方をお連れできるように、ドキドキさせたいと思っています。楽しみにしていてくださいね」。りょうは「幼い頃から見ている『犬神家の一族』。横溝正史さんの作品の中でも特に印象に残っている作品です。この名作に参加させていただけることはとてもありがたく、とにかく興奮しております。傲慢(ごうまん)さや憎悪などの心情、梅子の持つ底意地の悪さも思い切り表現したいと思っております。よろしくお願いいたします」と話している。

物語は1947年(昭22)、那須湖畔の本宅で一代で犬神財閥を築いた犬神佐兵衛が膨大な財産を残し、家族に見守られながら他界した。その遺産の配当や相続者を記した遺言状は、長女・松子(黒木)の1人息子・佐清(賀来賢人)が戦地から復員してから発表されることになっており、一族は佐清の帰りを待つことに。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が松子、竹子(松田)、梅子(りょう)という。それぞれが婿養子をとり、それぞれに息子が1人ずついたが、対立し合っていた。

数カ月後、金田一耕助(加藤)は犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古館の法律事務所に勤務する若林から、「犬神家で近々、血みどろの事件が起きるのでそれを防いでほしい」との手紙を受け取ったためであった。那須ホテルを宿泊拠点とした金田一は、湖畔から犬神家の豪邸を望んでいたところ、犬神家の養女である珠世(高梨臨)の乗っているボートが沈みかかっているのを目撃し助けようとする間に、犬神家の使用人・猿蔵が珠世を救出する。ボートには細工がされており、珠世が何者かに狙われたのはこれで3度目。その後、金田一がホテルに戻ったところ、若林が何者かによって毒殺されていた。どうやら若林は犬神家の誰かに買収され、法律事務所の金庫に保管している佐兵衛の遺言状を盗み見た可能性が。古館の依頼で、金田一は犬神家の遺産相続に立ち会うこととなった。

そんな中、ビルマの戦地で顔に大けがを負い、ゴムマスク姿で佐清が帰ってきた。佐兵衛の遺言状は古館によって金田一の立ち会いのもと公開されることになる。