NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)の第3話は、1話、2話と比べて別作品のように面白かった。笑える場面が随所にあり、視聴率は今後、どんどんアップする気がしました。この作り方が今後も続くなら過去の大河と違い「コミカル大河」と言ってもいいと思います。コミカルな第3話の中でも、印象的だったのは綾瀬はるかの自転車での全力疾走でした。

主人公金栗四三(中村勘九郎)が列車で上京する際、幼なじみの春野スヤを演じる綾瀬が、自転車を全力でこいで列車を追いかけながら見送りました。なぜか列車とほとんど変わらぬスピード。綾瀬の必死かつ全力で自転車をこぐ姿には素顔もかいま見られたようで楽しめました。

NHKに撮影の舞台裏を聞くと、同シーンは、撮影のために用意した特別な列車ではなく、普段、実際に運行している列車を利用して撮影したそうです。時刻どおりに次の駅に向かうため、続けてすぐに撮り直しはできない状況。前日に行う予定だったリハーサルは雨で中止に。そんな中、綾瀬は本番1発OKをやってのけたそうです。自転車のスピードは時速約30キロ。たいした脚力です。プロ根性です。現場ではOKが出た瞬間、スタッフから多くの感動の拍手がわき上がったそうです。

この作品の笑いは物語の流れで作られる自然な笑いが魅力。第3話では思わず、くすっとさせる卓越したスキルを必要とする笑いが光っていました。明日から仕事というちょっと暗い気分の日曜の夜にはピッタリ。今後も「コミカル大河」が続くことを期待したいと思います。