お笑いコンビ、キングコング西野亮広(38)が23日、大阪・東大阪市で行われた近大の卒業式にサプライズ出演し、卒業生約7700人に熱いエールを送った。

「ノープランで出てきました。しゃべることは決めていない」とあいさつすると、まずは自己紹介。「ひな壇に出ない」などの発言でたびたびバッシングを受けるが「ざっくりと説明すると、好感度が非常に低い」と笑わせた。

相方の梶原雄太(38)について「ユーチューバーのカジサックとして活躍してますが、非常に頭が悪い。ここでカジサックの悪口を言っていいですか」と飛行機に乗ったときのエピソードを明かし、会場の笑いを誘った。

全身を黒でコーディネートした西野は「このままずっと、しゃべっていたいけど、先生方に怒られそうだから、ちょっとそれっぽい、いい話を。僕のほうがみなさんよりちょっとだけ先輩なので」と前置きし、「未来を変えることはできないけど、過去を変えることはできる」と語りかけた。 「ここからみなさんは社会に出る。いろいろ挑戦する。最高の仲間と会うこともあるし、最高のパートナーに会うこともある。一方で涙する夜もあるし、挫折もする。傷も背負う。いわれのないバッシングを浴びることもある。挑戦にそういうことはつきもの。でも大丈夫、その結果はまもなく過去になる。僕たちはその過去を書き換えることが可能だよ」と熱弁した。 西野はゆっくりと「失敗とはその瞬間に止まってしまうから失敗なわけで、失敗を受け入れて、アップデートして、試行錯誤して成功するまで続けてしまえば、あのときの失敗が必要だと知るわけです」。

「ぼくが皆さんに送りたい言葉は1つだけです」と一呼吸置き、「失敗なんかしないから挑戦してください。世界から鼻で笑われるような挑戦でも、皆さんにはたくさん時間ある。たくさん挑戦してください」。 絵本「チックタック~約束の時計台」を手掛けている西野は「いちおう絵本作家だから、絵本作家っぽい話でまとめます」と宣言。 「時計ってすごいおもしろい。長針と短針。あいつらは1時間に1回重なる。1時5分で重なって、2時10分ぐらいで重なって…。でも11時台だけは重ならない。短針が先に逃げ切り、重ならない。つぎに2つの針が重なるのは鐘が鳴る12時」と言葉を区切り、「鐘が鳴る前は報われない時間があるってことです。人生における11時台は必ずある。でも大丈夫。時計の針は必ず重なる。だから挑戦してください」と力強く、伝えた。

登壇後、西野は「楽しかったですよ。雰囲気は分からないので出たとこ勝負。最後はいいことを言おうとは決めてました」と笑顔で振り返った。