闇営業問題で謹慎処分中だったお笑いコンビ、雨上がり決死隊の宮迫博之(49)が19日、所属する吉本興業から契約解消の通告を受けた。事実上の解雇処分で、今後の芸能活動は困難な状況となった。先月7日に雑誌「FRIDAY」が報じた闇営業の発覚から40日以上が経過し、騒動の中心にいた宮迫は、記者会見して釈明する機会すら与えられないまま“芸能界追放”となった。

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吉本興業は19日午後1時、報道各社に同日付で宮迫とのマネジメント契約を解消したことをファクスで報告した。「諸般の事情を考慮し、今後の宮迫博之とのマネジメントの継続に重大な支障が生じたと判断し、上記決定に至りました」。記者会見は行わない。

吉本興業は闇営業が発覚する2カ月ほど前から、関わった芸人たちに聞き取り調査を進めてきた。宮迫と「金塊強奪事件」の主犯格との酒席を、新たに「FRIDAY」が報じることが分かった18日の夜にも宮迫への聞き取りを行った。

吉本興業は宮迫に、今後について「無期限謹慎」「契約解消」などを提案。話し合いを続け、最終的には「宮迫本人が契約解消しかないと思い至った」(所属事務所関係者)と判断した。19日朝に弁護士を通じて宮迫に「契約解消」を通告。宮迫本人も納得して、受け入れたという。今後の他事務所への移籍を妨げるものではないが、新たに活動をサポートする事務所が出てくることは考えにくい。

会見せずに、ファクス、ネットでの発表となったことに、吉本興業は「総合的な判断」と説明した。吉本興業ホールディングスの大崎洋会長(65)は、14日付朝日新聞に掲載されたインタビューで「こういう時に記者会見をしてタレントが出て、僕も出てとなると、フラッシュと怒号が飛び交う中、本質や問題点をきちんとお聞きしたり、お答えしたりということが出来にくい」と答えていた。

宮迫は14年12月、都内ホテルで行われた、振り込め詐欺グループの忘年会に出席。仲介したカラテカ入江慎也(42)が、6月4日に吉本興業から契約解消された。宮迫は当初、ツイッターなどで、相手が反社会的勢力だとは知らず、謝礼も受け取っていなかったなどと説明していた。だが、その後、謝礼を受け取っていたことが判明し、うそをついていたことから、事務所側は先月24日に当面の間の謹慎処分としていた。

今月13日には吉本興業が受け取った額を100万円と発表。復帰への道筋も模索しながら騒動が収まるのを待ったが、19日発売の「FRIDAY」で、16年7月に福岡で起きた金塊強奪事件の主犯格とされる男らとの酒席が発覚し、流れは一気に解雇する判断に傾いた。新たな事案では犯罪者と知っていながら金銭を受け取ったのか-。視聴率の高い人気番組に出演し続け、社会的に知名度の高い芸能人が肉声を残さず、真相がうやむやなまま、姿を消すことになる。

◆雨上がり決死隊 NSCで同期だった宮迫博之と蛍原徹が1989年(平元)に結成。コンビ名の由来はRCサクセションの人気曲「雨上がりの夜空に」から。90年代前半、お笑いユニット・吉本印天然素材のリーダー格として活躍。99年、日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」に出演し注目を浴びる。フジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」や、宮迫の「宮迫ですっ」の自己紹介で人気が定着。03年に初の全国ネットの冠番組「雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!」をスタートさせた。