男女コンビの人気ユーチューバー「ヴァンゆん」がダチョウ倶楽部や有吉弘行(45)ら人気お笑い芸人が所属する大手芸能事務所「太田プロダクション」に所属することが、分かった。登録者数100万人以上のトップユーチューバーの大手事務所所属は初めて。ユーチューバーとして歴史的第1歩を踏み出すヴァンゆんがこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。

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今や子どもたちの成りたい職業ランキングで、上位に位置するのがユーチューバーだ。ヴァンビとゆん(ともに年齢非公開)は、それぞれが自身のチャンネルを展開していた。2人はユーチューバーの集まりで知り合い、最初はコラボだったが、本人たちの想像をこえる反応があり18年7月、コンビを組んだ。

ヴァンビは「普通1万と1万のコラボなら行って2万再生くらいなんです。でも僕らは化学反応があって跳ね上がったんです。これはもう運命だなって。組むしかないと思いました」

コンビ結成約1年で登録者数約150万超えの人気ぶりだ。「ヴァンゆんチャンネル」は主にドッキリ系と料理系を柱に、さまざまな企画を展開。なぜ多くの人からこれほどの支持を受けるのだろうか。ゆんは「男女両方の共感を得られるのが大きいと思います。若い子は共感が一番なので。あとは、私がポンコツでヴァンビくんが何でもできるんです。だから、料理でもただ料理をするのではなく、私が怒られたりするのがおもしろいんだと思います」。

芸能事務所に所属することでユーチューバーの地位向上を目指す。ヴァンビは「インターネットで活躍するのはインフルエンサーで、芸能界で活躍するのが芸能人。今はインフルエンサーの立場が下ですが、同格にもって行きたいです。そのためにはもっと大衆に知ってもらう必要があります。今の大衆はテレビなので、テレビに出なければと思っています」。

太田プロを選んだのはユーチューバーの嗅覚だ。ヴァンビは「ユーチューバーに一番理解があった。『新しい風を起こそうぜ』みたいな感じでした。他は芸能界で通用するのかが懐疑的でした」。ゆんは「テレビでは通用しないとか。結構厳しい意見が多かったです。でも太田プロさんは一緒にワクワクして、意見を交換してくれました」。

ユーチューブとテレビの両立。そこには大きなプレッシャーもある。ヴァンビは「テレビに出始めてユーチューブがおろそかになるのは本末転倒。そっちをしっかりやりつつ、こういう人もいるんだというのをテレビでアピールしていきたい」。ゆんは「テレビを見てる人はユーチューブを見ていない。そういう人たちにも幅広く知ってもらって、最終的にはユーチューブで1番になりたいという夢があります」と話した。

芸能事務所所属の裏にはヴァンビのやさしさもあった。「100万人を超えた次のステップを考えた時、ゆんちゃんの夢は元々マルチタレントになることでした。ゆんちゃんの夢をかなえることは僕の夢にもつながっているのかなと思って、芸能事務所を探していました」。

男らしい返答だが、そうなると気になるのは2人の仲だ。ヴァンビは「まぁ、ゆんちゃんがほれるのは時間の問題かな(笑い)。動画でも『付き合っちゃいなよ』とか言われますが、終わらない少女漫画のようです」。ゆんも「『今の関係がいい』という人も多いです」。

今回の所属で、できることが増える。ファンイベントもその1つだ。ゆんは「ファンに恩返しをしたい。濃い絡みで、濃いファンを作っていきたいです」。

トップユーチューバーとして新たな挑戦が始まる。さまざまな思いを胸に将来を見据える2人の目は、まぶしいほどに輝いていた。

◆太田プロダクション 数年前からすでに変化しつつあるテレビ、エンタメ業界において、太田プロとしても、今後はテレビとネットの垣根を越えて活躍できるタレントのマネジメントやインフルエンサー事業の展開も視野に入れております。今回、ユーチューバーとして第一線で活躍中の「ヴァンゆん」とのマネジメント契約をきっかけに、弊社も新しいことにチャレンジして行きたいと考えております。

◆主なユーチューバー はじめしゃちょー(26)はメインチャンネル登録者数が814万人を超え、単独では日本一とされる。約765万人のHikakinTVなどを持つヒカキン(30)はエアロスミスとのライブ共演経験も。ヒカル(28)は、祭りの屋台でクジを買い占めて当たりがないことを告発する動画で話題になった。フードファイターの木下ゆうかは、テレビから活動の場を移した。芸能人では「カジサック」の名で活動するキングコング梶原雄太が約122万人、草なぎ剛が約92万人のチャンネル登録者を持つ。