新型コロナウイルスの感染拡大で公演を中止していた宝塚歌劇団雪組公演「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」が22日、東京宝塚劇場で「1日だけ」の再開を終えた。11日ぶりの上演だったが、この日は千秋楽だった。

同公演は政府方針に添い2月29日から3月8日まで中止され、9日にいったん再開したが12日から再び中止となった。カーテンコールでは、トップ望海風斗が満員のファンに向け「この状況で公演ができたことが本当にうれしい。休演した時は周囲が自分を励ましてくれた」などとあいさつしたという。最終公演を観劇した都内の2人組の50代女性によると「拍手も通常より大きくて、割れんばかりでした」。また、同日付で退団する舞咲りんら娘役3人の退団セレモニーも行われた。涙する望海を退団者が激励するような一幕も見られ、和やかな雰囲気で進行したという。

劇場は飲食禁止で観客の手指消毒、客席の換気強化や、入り口付近には体温検知のサーモグラフィーが設置されるなど対策がとられた。出演者の出入り待ちの自粛も要請され、鑑賞後は人が密集しないよう出口を分割し、ブロックごとの退席が案内されたという。

ファンの間でも「劇場で感染しない、させない」という意識が徹底され、大半がマスク着用で来場。客席での会話を控える人も多かったという。別の都内50代女性は「飲み物を飲む人も、あめをなめる人もいなかったように見えました」と振り返った。千秋楽の模様はCSチャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」で生放送されたが、全国映画館でのライブビューイングは中止となった。