「第62回輝く!日本レコード大賞」(主催・日本作曲家協会など)が30日、東京・新国立劇場で発表され、LiSA(33)の「炎」が大賞を受賞した。歴代興収新記録を打ち立てたばかりの映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」主題歌で、正真正銘の今年の代表曲となった。最優秀新人賞は真田ナオキ(31)が受賞した。

LiSAが、初の優秀作品賞受賞にして、大賞の栄冠を手にした。司会の安住紳一郎アナウンサーから発表されると、手で顔を覆った。盾を受け取ると、楽曲スタッフや映画の原作者らの名前を挙げて「本当にたくさんの方に支えていただきました」と感謝し、同曲を涙ながらに熱唱した。

「鬼滅ブーム」だった今年を象徴する20年の締めくくりになった。映画は今月23日に、公開から73日間(11週目)で興行収入(興収)324億円を記録し、日本映画の歴代興収記録を更新したばかり。今回のレコード大賞では「鬼滅の刃」が「特別賞」も受賞した。

「炎」は10月12日に配信開始するや、国内外のチャートを席巻した。オリコン史上初の「同一アーティスト・作品の週間デジタルランキング&ストリーミング7週連続2部門同時1位」を獲得し、デーリーチャートでは各種配信サイトで55冠を達成。ストリーミング再生では歴代最速記録で1億回を突破し、CDも累計出荷数が30万枚を突破した。「Apple Musicグローバルトップ100」で7位に入り、日本人歴代最高位を記録するなど海外にも広がった。

曲の広がりとともに「炎」を歌う責任感もさらに増した。LiSAは「力強く生きていかなければと、私たちにとっても炎をともせるような楽曲になってきた。はじめは劇場版のために歌っていましたが、私たちの今の状況も含めて、目の前の皆さんのために歌っているような感じになってきました」。さらに「鬼滅」の煉獄杏寿郎の言葉になぞらえ「この『炎』という楽曲を通じて、これまでも、そしてこれからも、“わたしはわたしの責務を全うできれば”と願うばかりです」と決意も新たにした。

LiSAは11年にソロデビューし、昨年「紅蓮華」のヒットでブレーク。来年はデビュー10周年の記念イヤーでもあり、レコード大賞がさらに花を添える形となった。