俳優伊東四朗(83)が、新型コロナウイルスの変異株が感染拡大している現状に自らの危機的な経験を踏まえて警鐘を鳴らした。

1日、文化放送の冠番組「伊東四朗 吉田照美 親父パッション」(土曜午後3時)に出演して先月末にPCR検査を受診し、結果を待つ恐怖の思いをラジオの生放送で明かした。

4月下旬に仕事の関係者が新型コロナウイルスの陽性と診断されたことを受け、伊東自身が濃厚接触の可能性があるとして仕事を自粛。同ラジオ番組についても前週24日からオンラインで出演している。伊東はこの日も東京・浜松町のスタジオからの出演を回避してオンラインで出演。先月下旬に受診したPCR検査の結果について番組冒頭で触れた。

「この1週間はドキドキしていた。実は(先週)火曜日、水曜日はいても立ってもいられなかった」と振り返った。「いったん(コロナに)かかって入院すると家族にも会えない。水曜日が怖かった」。結果については最愛の妻から知らされて「陰性」と分かったと報告。83年の人生でも比類のない心配に駆られたという。「陽性って言われたらどうなっていたんだろう。言葉が出ません」と、陰性の判定に安堵(あんど)した気持ちを吐露した。

その上で、先月に3度目となる緊急事態宣言が発令されて以降も都心では人出が減らない状況に懸念を示した。

1日は東京都内で1050人の新規感染が報告された。伊東は「一部の人は(コロナ感染拡大を)無視しているのかな。コロナに感染した人は全世界で1億5000万人。日本の人口に匹敵する。まいったなあ、収束の兆しが見えないもんなあ」とつぶやいた。「3回目の緊急事態宣言でも緊張感がほとんど感じられない」と話し、深刻な感染拡大の現状を憂いながら「感染者の数だけでなく、亡くなっている人もこれだけいると、もっと説明したほうがいい」と提言した。

※初出時の内容に一部誤りがあったため、修正しました。