人気ロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)シリーズやザ・ピーナッツ「恋のフーガ」、ヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」などで知られる作曲家のすぎやまこういち(本名・椙山浩一)さんが9月30日、敗血症性ショックのため死去した。90歳だった。

7日、スクウェア・エニックスの同ゲーム公式サイトで発表された。葬儀、告別式は親族と近親者で執り行われた。後日、お別れの会を予定している。

同サイトでは「『ドラゴンクエスト』シリーズの500曲以上に及ぶ楽曲のすべてをおひとりで作曲されており、制作中の『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』の作曲が最後のお仕事となりました。これからも共にご制作いただきたく思っていたので、誠に残念でなりませんが、『ドラゴンクエスト』の音楽は永遠に皆様の記憶の中にあり、『ドラゴンクエスト』のゲームの世界でいつまでも生き続けてまいります。すぎやまこういち氏の生前のご功績に対する心からの敬意と感謝とともに、謹んで哀悼の意を表します」などとつづられた。

フジテレビのディレクターを経て、作曲活動に専念。20年、文化功労者に選出された。ドラクエの楽曲は東京オリンピック(五輪)の入場曲にも使用された。東京・中山競馬場などのG1レースなどで使用されるファンファーレも作曲した。

◆すぎやまこういち(本名椙山浩一)1931年(昭6)4月11日、東京都生まれ。音楽好きの家庭に生まれ、幼少からクラシックなどに親しむ。東大卒業後、文化放送、フジテレビでディレクターを務め、フジテレビ時代は「ザ・ヒットパレード」に携わり、テーマ曲を作曲。沢田研二らによるバンド「ザ・タイガース」の名付け親で、「君だけに愛を」などグループサウンズのヒット曲や、「亜麻色の髪の乙女」などを作曲。86年、ゲームのテーマ曲「ドラゴンクエスト序曲」を作曲。16年、最高齢のゲーム音楽作曲家としてギネス世界記録に認定された。18年、旭日小綬章。昨年、文化功労者。