1989年(平元)に40歳の若さでなくなった、松田優作さんの三十三回忌法要が命日の6日に東京・築地本願寺で営まれた。

施主の妻松田美由紀(60)長男の松田龍平(38)次男の松田翔太(36)長女の松田ゆう姫(33)をはじめ家族や関係者60人が参列した。

龍平は10月20日に結婚を発表した、新妻のモーガン茉愛羅(まあら=24)を伴い「優作、いつも見守ってくれてありがとう。新しい家族も増えたし、ちゃんと報告しないとね」と、父優作さんに結婚を報告した。その上で「それから美由紀さん。おつかれさま! 長い間、優作を、家族を大切にしてくれてありがとう。皆様に末長く幸せが訪れますように」とコメントした。

会場には、1979年(昭54)10月19日に撮影された、優作さん主演の日本テレビ系ドラマ「探偵物語」第8話「暴走儀式」のラストシーンのスチールをもとにしたパネルが設置された。

翔太は「四歳の頃から葬式に法事と、いつも弔いの儀式が苦手でしたが、それは父親に会う、向き合う時間だったからなのだと思います。この度三十三回忌になり、長い時間が経ちました。不思議と感覚が変わっている自分がいて、今は真っ直ぐ自分の父親に向き合える気がしております」と、優作さんへの心境の変化を口にした。その上で「美由紀さんには、優作さんの伴侶として母親として、たくさんの愛をいただきました、自分はしっかり2人の両親に育てられたんだなと心から感謝してます。ありがとうございます。みんなが幸せになりますように。愛に包まれますように」と、龍平同様、母に感謝した。

1歳の時に優作さんを亡くした、ゆう姫は「父は、私が記憶にもないほど幼い時に他界したので、子供の頃から周りで話される父の話は、私にとっては全く実感のない、まるで幻のように感じていました。存在のないものに想いを馳せるのはなんだか変な気持ちです。“松田優作”ではなく、私には父が必要なのに。と思うこともありました」と複雑な心情を吐露した。その上で「でも母の中に確かに存在していた父の話を聞くと、愛おしさと尊敬を感じ、いつも心のどこかでつながっていると思え、とても幸せです」とも語った。

美由紀は「亡くなって32年。生きている時も亡くなってからも、これほどまで長く愛され続ける男だったんだと、改めて優作の偉大さを実感し、そして本当に感謝しています。家族の愛があるからこそ、頑張ってこれました。そしてファンの皆様に助けて頂きました。これからも、松田家をどうぞよろしくお願いします」(コメントは全て原文のまま)と弔い上げを行っての心境を語った。

関係者によると、龍平、翔太、ゆう姫の3きょうだいが、優作さんに関してそろってコメントをするのは、今回が最初で最後になるという。