18日に35歳で急逝した神田沙也加さんが出演していたミュージカル「マイ・フェア・レディ」について、製作の東宝は、25日の山形公演から再開することを発表した。

同舞台は今後25~26日は山形、来年1月1~3日は静岡、6~7日は愛知、12~14日は大阪、19~28日は福岡公演が予定されている。今後は全公演をイライザ役、ヒギンズ役、フレディ役を、朝夏まなと、別所哲也、寺西拓人の「チームA」で務めるという。

東宝は公式サイトで「12月25日(土)から明年1月28日(金)にかけての山形・静岡・愛知・大阪・福岡公演につきましては、各主催者との協議のうえ、イライザ役・ヒギンズ役・フレディ役の3役を、朝夏まなと・別所哲也・寺西拓人の『チームA』にて、全公演を務めさせて戴くことといたしました」と発表。

ダブルキャストの沙也加さん、寺脇康文、前山剛久の「チームK」について、東宝は「神田沙也加・寺脇康文・前山剛久の『チームK』の公演を楽しみにされていたお客様におかれましては大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。何卒ご了承いただけますと幸いに存じます」と説明した。

そして亡くなった沙也加さんについて「広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます」とコメントした。

沙也加さんは、朝夏まなととのダブルキャストで主役イライザを演じていた。神田さんは、同作出演のため滞在していた札幌市のホテルで亡くなっているのが発見された。これを受け、19~20日の札幌公演は中止された。

また、朝夏と寺脇がそれぞれメッセージを発表した。

朝夏まなとメッセージ全文

いつもインタビューで一番好きなミュージカルは「マイ・フェア・レディ」と言っていたさぁちゃん。(神田沙也加さんをこう呼んでおりました)私の宝塚退団後の初ミュージカルが本作品で、さぁちゃんからたくさんのことを教えてもらったり、他愛もない話をしたり、すぐに打ち解けて仲良くなりました。生き生きとイライザを演じるさぁちゃんが眩しくて、歌声も大好きでした。今、思い浮かぶのはさぁちゃんの笑顔です。日本で初めて上演された歴史あるミュージカル「マイ・フェア・レディ」。上演か中止か、どちらの決断が下されてもきっと様々な方々のお気持ちが複雑に交錯することもあるかと思います。けれどこの作品を愛する皆さまの気持ちも一緒にすべてのカンパニーキャスト、スタッフが一丸となり「マイ・フェア・レディ」を続けていくこと、この作品を全国の皆さまにお届けしたい・・・・それがみんなの願いです。カンパニーを代表しまして、心よりご来場をお待ち申し上げます。

朝夏まなと

 

寺脇康文メッセージ全文

この度、「マイ・フェア・レディ」の残りの公演の出演を、キャンセルさせていただくことに致しました。舞台人として、どうあるべきか、本当に悩みました。プロ意識に欠けるのかもしれません。それでも、イライザとヒギンズの二人三脚で作ってきたこの作品をこのまま続けることは今の僕には難しく、東宝さんをはじめとするカンパニーの皆さんもそのわがままを受け入れてくれました。楽しみにしてくださったお客様には大変申し訳ありません。自分にとっても本当に大切なこの作品は、朝夏まなとさん、別所哲也さんコンビが引き受けてくれます。最大の感謝とともに、千穐楽までの完走を祈ります。

寺脇康文