「第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」が昨年12月28日に日刊スポーツ紙面とニッカンスポーツ・コムで発表されました。発表当日に掲載しなかった部分も加えて、受賞者インタビューでの言葉をあらためて掲載します。

  ◇  ◇  ◇ 

19年に新人賞を受賞した清原果耶(19)が初の10代、史上最年少で助演女優賞を受賞した。「護られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督)では、震災後の宮城県で生活保護受給者のケースワーカーという難役を演じた。

「一昨年なんですね…新人賞をいただいたのが。新人賞をいただいた時も、まさか自分が賞をいただけるとはみじんも思っていなかったので、今回も本当にびっくりしています。とってもありがたい気持ちでいっぱいです」

史上最年少での受賞となったが、周りのおかげだと感謝の言葉を口にした。

「『あ、そうなんだ』っていう驚きはありますけど。私自身あんまり年齢についてこだわって生きてこなかった節があるので。これはひとえに監督だったり、スタッフのみなさん、キャストのみなさんのお力添えのおかげでいただけた賞だなと思います」

助演女優賞で“本格演技派”の素質を証明した。

「作品に大事じゃないことなんて1つもないんですけど、1つのパーツとして、ちゃんと『護られなかった者たちへ』という作品で、円山幹子という役で、自分は確かにそこに存在できていたんだなって、なんか証明していただいたような、そんなありがたい気持ちになりましたね」

新人賞受賞から2年-。ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」など、多くの作品に参加した。成長できた点を聞くと「自分で自分のことを成長したなと思う瞬間なんて、本当になくて…」と謙遜した。

「この2年間でも、いろんな作品に参加させていただいて。いろんな人と出会ってきた中で、年も重ねましたし、『いろんなものを吸収できていたらいいなー』っていう希望しか自分のなかには残っていないというか。なんか、成長できていたらいいんですけどね(笑い)。(実感しないタイプ?)『しているなー』とは全く思わないですけど、『したいなー』という願望はあります(笑い)」

残る主演女優賞の期待もかかる。欲を強く表に出さず、謙虚に、言葉を大切に選んで思いを明かした。

「本当に、まさか自分がっていう気持ちが1番大きくて。ありがたい、これからも頑張ろうって思えるようなきっかけをいただけたなって今回も思っていて。この先、またいろんな映画、作品に参加させていただく中で、自分が本当に心を削って頑張った上で、そういうことがあったらうれしいなとは思います(笑い)」【佐藤勝亮】

◆清原果耶(きよはら・かや)2002年(平14)1月30日、大阪府生まれ。14年オーディションでグランプリ獲得。15年NHK朝ドラ「あさが来た」で女優デビュー。19年映画「デイアンドナイト」などで「日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」新人賞を受賞。21年NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロインを務める。22年TBS系「ファイトソング」で民放ドラマ初主演。162センチ

◆「護られなかった者たちへ」 東日本大震災発生から10年目の仙台で、人格者が全身を縛られ餓死する事件が連続で発生。別事件で服役、出所した利根泰久(佐藤健)が捜査線上に浮かび、宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎(阿部寛)は、利根の幼なじみ円山幹子(清原)含め捜査を進める。