ヒットメーカーの堤幸彦監督(66)、女優広山詞葉(36)福宮あやの(38)河野知美(40)が9日、大阪市内で行われた公開中の映画「truth ~姦しき弔いの果て~」の舞台あいさつに登壇した。笑いの本場・大阪で堤監督がボケ倒すと、女優陣から総ツッコミが入った。

精子バンクがテーマで、同じ男性を愛した3人の女性が、男性の葬式で本音むき出しでぶつかりあう姿を描いたコメディー会話作。コロナ禍により、表現の場を制限された広山、福宮、河野の3人が立ち上がって20年にスタートしたインディーズ作品。制作費は文化庁の助成金「700万円」という超低予算作品だったが、3人の心意気を感じた堤監督が参加した。同監督にとっては記念すべき50作目となった。

マイクを握った堤監督はつかみで、いきなり「司馬遼太郎です」と“風貌ネタ”でボケると、笑いが起こった。「いいですね、大阪は。うれしい」と会場の反応に満足そう。

同映画はイタリアやドイツ、英国などの映画祭で、最優秀作品賞など7冠に輝いている。「イギリスではベストコメディー賞をいただいた。言ってみれば上方演芸大賞みたいなもの」と胸を張ると、兵庫県西宮市出身の福宮が「またまたまた。絶対に言うと思った」とツッコミを入れた。

同映画のツイッターの話題でWi-Fi(ワイファイ)が出ると、「ここはウイフィー(Wi-Fi)は飛んでいるんですか」とノリノリで話すと、女優陣から「監督、ボケ倒しですね!」と総ツッコミが入ると、「ムチャクチャ楽しい」と大喜びした。

撮影中のエピソードとして広山が「(監督から)表現したいものがないのなら、辞めてちまえ」と叱咤(しった)されたことを明かすと、堤監督は「そんなこと言った? そんな“監督”みたいなことは言わないよ」と最後まで笑いを誘った。