お笑いコンビ、トータルテンボスの藤田憲右(46)が17日、東京・明治神宮外苑室内球技場で小学生向け野球教室「Yoshimoto Enjoy Baseball」を開催し、元プロ選手らとともに、子どもたちに競技の楽しさを伝えた。

小学生年代の野球人口減を受け、元高校球児で日本野球連盟の指導者ライセンスも持つ藤田を中心に2年前から実施。3回目の今回は元プロ選手のゲスト講師として元ヤクルトの上田剛史氏(33)と元ロッテの荻野忠寛氏(39)も参加した。

まずは投手だった荻野氏が準備運動を指導。肩甲骨まわりのストレッチなどを丁寧に教えた。その後はグループに分かれてノックなどを行い、最後は藤田が「重要視しています」と語るベースランニングも行って締めた。

現役時に俊足巧打の野手として活躍した上田氏はスイングなどの打撃指導のほか、盗塁時にスムーズに足を踏み出せる体の向きなどを熱心にレクチャー。上田氏は「盗塁ではリードやスタートの切り方ももちろんですが、一番大事なのは走りだす時に勇気を持てるか。まだみんなは伸びしろ十分の選手たちなので、たくさん挑戦して、失敗する中でうまくなっていってほしい」と声をかけた。

藤田はこれから野球を始めようとしている子どもたちにもアプローチし、ボールの握り方、投げ方などを教え、保護者との対話も積極的に行った。家庭でキャッチボールを行う際の注意点なども伝えたと明かし「例えば父親と子どもでキャッチボールをする時に、体をひねらずに腕だけで投げる親が増えています。野球を始めたての子どもは親を見て学ぶので、しっかりと正しいフォームで投げて捕ってあげないと間違った覚え方をしてしまう。そういったことを伝えました」と語った。

活動回数を重ねるごとに反響は大きくなっており、今回は前回よりも約10人多い28人の子どもが参加した。ゲスト出演した荻野氏も、活動の存在を知り、コーチ役を志願しての参加だった。荻野氏は子どもたちへ「野球がどうやったらうまくなるか。一番大事なことは楽しくやることです。まずは楽しいと思えることを一生懸命やって、最後まで楽しいと思ってやりきれたらプロ野球選手になれると思います。頑張ってください」とエールを送った。

3度目の活動を終えた藤田は「みんなうまいですし、野球に興味を持ってくれる子も増えた気がします。熱も感じました」と手応えも口にした。同イベントは将来的なアカデミー化も視野に入れており、今後も継続して開催予定。「まだ野球をやったことがない子にも多く参加してほしい」と呼びかけ「子どもは知らない子たちが集まっても仲良くなるのが早い。将来的には参加者をチームに分けて対戦とかもやってみたいなと思っています」と展望も語った。

今回参加予定だった、元プロ選手で、片岡治大名義などで西武や巨人で活躍した片岡保幸氏(38)は体調不良で急きょ欠席した。【松尾幸之介】