第75回カンヌ映画祭授賞式が28日(日本時間29日)フランスで行われ、ある視点部門に出品された「PLAN 75」(6月17日公開)の早川千絵監督(45)に、新人監督賞「カメラ・ドール」のスペシャルメンションが授与された。

映画に9年ぶりに主演した倍賞千恵子(80)や、2泊4日の弾丸スケジュールでカンヌに渡航し、海外の映画祭に初参加した磯村勇斗(29)、映画に出演した河合優実(21)が、早川監督への祝福のコメントを発表した。

倍賞千恵子(角谷ミチ役)おめでとうございます。この作品で「生きるということ」を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱くよみがえってきました。サァー、これからも、どんどん映画作ってくださいね。本当におめでとうございます。

磯村勇斗(岡部ヒロム役)早川監督、受賞おめでとうございます! 受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです。改めて「PLAN 75」に参加させて頂けたことを光栄に思います。早く日本の皆様にも届けたいです。

河合優実(成宮瑶子役)早川監督、受賞、本当におめでとうございます。「PLAN 75」が、ひとりひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変うれしく思います。これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています。

「PLAN 75」は、早川監督にとって初の長編映画。韓国映画「ベイビー・ブローカー」がコンペティション部門に出品され、主演のソン・ガンホ(55)が男優賞を獲得した、是枝裕和監督(59)が初めて総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の1篇を、早川監督が新たに構築してオリジナル脚本を手掛け、キャストも一新。超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄(ほんろう)される人々の姿を描いた。

倍賞は、1961年(昭36)に映画「斑女」でデビューして以来、主演映画がカンヌ映画祭に出品されるのは初めて。