タレント小堺一機(66)が、24日に初日を迎える、俳優でお笑いコンビあさりどの川本成(48)が主宰する劇団「時速246億」の舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル」(東京・新宿「シアターサンモール」)に出演する。2016年(平28)に初演で再演、続編、そして配信で上演された人気シリーズのファイナル。師匠・萩本欽一(81)の欽ちゃんファミリーの弟弟子の川本のラブコールに応えた。このほど、小堺と川本が日刊スポーツの取材に応じた。【小谷野俊哉】

   ◇   ◇   ◇

川本は94年にフジテレビ系の昼バラエティー「笑っていいとも!」の”9代目いいとも青年隊”に抜てきされた。それに続く番組でサイコロを転がしてトークを進めていたのが、94年の「ライオンのいただきます」から続く「ライオンのごきげんよう」の司会の小堺だった。

小堺「サイコロトークが流行って、みなさんにいろいろなところでやっていただきました。すごかったですね。今から考えると恐ろしい。起用していただいたのは、28歳の時。暇なのが僕しかいなかったんです(笑い)」

川本「20代でMCをやって、年上の人たちをさばくってことは、なかなかないですよね」

女優の塩沢とき、浦辺粂子、作家の中山あい子らの歯に衣(きぬ)着せぬトークが“おばさまブーム”を巻き起こした。

小堺「今は、あの人たちより年上になっちゃいましたね(笑い)。塩沢ときさん、ブームになっちゃいましたからね。だんだん頭(のセット)が大きくなって、ラジカセみたいになっちゃった(笑い)」

俳優志望だった川本は、91年に萩本が主宰する「欽ちゃん劇団」に1期生として入団した。

川本「大将(萩本)のところにいて、やっぱり笑いのすごさも、結局は全部一緒なんだって気づいたのが30代半ばぐらいでしたね。きっかけは、欽ちゃん劇団の『役者、歌手、お笑いダンサー幅広く募集』っていうのが日刊スポーツに載っていて、受かっちゃったんです。それで、100人くらい受かって『お前、何やりたい』『ダンサーです』『お前、何やりたい』『役者です』って。それで『はい、全員お笑い覚えてもらいます』って(笑い)。『あともう一つ言うけど、15年、教えないからね。質問もなしね』って言って帰っちゃった。よく分からないまま始まりました。後になるほど、だんだん意味が分かってくるわけなんですけどね」

小堺は77年にTBS系の夕方の帯バラエティー「銀座NOW!」の「素人コメディアン道場」で第17代チャンピオンになって芸能界入り。

小堺「最初は関西の方でもやってたんだよね。それが途中から関東ローカルになって、逆に、それで伝説になっちゃった。西の『ヤングおー!おー!』、東の『銀座NOW!』。だって、永ちゃん(矢沢永吉)出てましたからね。キャロルが出てたの。太田裕美さんだってレギュラーだったし、清水健太郎さんがいてね。竹中直人は僕の次のチャンピオンだからね。あの頃は日テレの『スーパー・ジョッキー』とかもあって、あの人は各お笑い番組の荒らしだったの」

後にコンビを組んでブレークする関根勤(68)も「コメディアン道場」出身だ。

小堺「関根さんが初代で、僕は17代目。間にハンダースのメンバーの皆さんがいます。清水アキラさんに鈴木末吉(現・鈴木寿永吉)君、アゴ(勇)ちゃん、そして今は俳優の中本賢さんはアパッチけんだったの。(所属の)浅井企画の浅井良二社長と車だん吉さんが、隔週で審査員を務めていました。で、俺は暗いって言われてたの。『君は暗いんだよ。大学、ちゃんと行ってるのか』とか。でもね、夕方の番組で視聴率が15%あったんですよ。今じゃ、信じられない。最後は日々谷野音で、お別れコンサート。ダウンタウンブギウギバンドが出ていて、宇崎竜童さんが『不良が増えるよ』って言ってたのを覚えている。夕方に番組を見ていたやつらが、遊びに行くからって」(続く)

 

◆小堺一機(こさかい・かずき)1956年(昭31)1月3日、千葉県生まれ。77年、TBS系「ぎんざNOW!」の素人コメディアン道場で優勝。専大卒業後、勝アカデミーを経て、80年浅井企画。82年テレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの!?」での関根勤とのコンビ「クロ子とグレ子」でブレーク。84年10月からフジテレビ系のトークバラエティー「ライオンのいただきます」の司会に抜てきされ、16年(平28)3月の「ライオンのごきげんよう」終了まで31年半務めた。現在、BSJapanext「アプリで生判定!地域創生プレゼンバトル」、J:COMチャンネル「ジモトに乾杯!居酒屋小堺クン」、JFN「おうちで~CINEMA~」など。バラエティー、ドラマ、舞台、ラジオなど幅広く活躍。165センチ。血液型A。

◆川本成(かわもと・なる)1974年(昭49)7月13日、鳥取県生まれ。91年(平3)4月、萩本欽一主宰「欽ちゃん劇団1期生」合格。94年に堀口文宏と「あさりど」結成。94年から3年間、9代目いいとも青年隊としてフジテレビ系「笑っていいとも」出演。07年から劇団「時速246」を主宰、10年に「時速246億」に改名。16年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム」主演。18年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム2018」「バック・トゥ・ザ・ホーム2」。20年配信で舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ハーフ」。趣味は楽器いじり、古着収集、プロレス。168センチ、血液型O。