英国のエリザベス女王が8日午後に96歳で死去したことを受け、ネット上では王室批判を繰り広げてきた孫のヘンリー王子(37)とメーガン妃(41)夫妻への批判が殺到している。

米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、女王の健康状態の懸念が報じられた直後から、夫妻に対する攻撃的な投稿が相次いでいるという。夫妻は20年1月に主要公務から退く意向を発表し、離脱後に移住した米国ではテレビ番組のインタビューで王室で人種差別的発言を受けたと告発するなど王室批判を繰り広げてきた。それが原因で父チャールズ皇太子と兄ウィリアム王子との確執が取り沙汰されるなど王室との関係に亀裂が生じ、メーガン妃の相次ぐ告発問題に女王も大きなショックを受けていると伝えられていた。

こうしたことから、夫妻の言動が原因でエリザベス女王の心労が重なり、健康状態の悪化を招いたと指摘する声も多く、ネット上では「ヘンリー王子は、女王の最後の数年をメーガン・マークルの問題に巻き込んだことを恥ずべき」「私が女王ならメーガン妃には(葬儀に)来てほしくないと思う」など辛らつなコメントも見られる。

一方で、女王は96歳という年齢だったことを考えるとヘンリー王子夫妻の責任を問うのは筋違いだとの意見や、夫妻を責めるなら性的虐待疑惑で公的地位を失った次男アンドルー王子も同様に批判するべきとの声もある。

一方、女王の健康問題の懸念が発表されことを受け、英国に滞在中だったヘンリー王子とメーガン妃は予定を変更してスコットランドに向かうと代理人が発表したものの、メーガン妃は同行していなかったことが発覚。ヘンリー王子は女王の死去が発表されてから1時間半後に兄ウィリアム王子ら他の王室メンバーより遅れて単身でバルモラル城に到着したことが確認されている。

メーガン妃が同行しなかった理由は不明だが、この夜にロンドンで行われる慈善団体のイベントに出席を予定していたことなどから混乱が生じたためだと複数のメディアが伝えている。

イベントを欠席したものの、女王の元には向かわずロンドンに残ることを決めたメーガン妃は、このような時期に他の王室メンバーから自分は歓迎されないと思ったのではないかとBBCの王室担当記者は伝えており、確執が取り沙汰される義理父や兄と顔を合わせることを避けた可能性も取りざたされている。また、ヘンリー王子が他の家族より大幅に遅れて到着したことを疑問視する声もある。

ウィリアム王子やアンドルー王子らを乗せた飛行機は、ヘンリー王子が到着する数時間前にスコットランドの空港に到着していることから、王室と夫妻の間で現在も進行中の不和の証拠だとオンラインメディアのデイリー・ビーストは伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)