俳優工藤阿須加(31)が、BS朝日で10月5日にスタートする新番組「工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました」(水曜午後10時)で初の冠番組を持つ。

昨年から2回の単発放送をへて、工藤にとって初のレギュラーにもなる農業バラエティー番組だ。このほど日刊スポーツなどの取材に応じ、意気込みを語った。

父はプロ野球で活躍した元ソフトバンク監督の工藤公康氏(59)。体が資本のスポーツ選手なので、食事には徹底的にこだわる家庭だった。「母が全国の農家を回って食材を買っていたんです。それを子どものころから見てきました」。食の大切さを身近に感じる環境で育ち、農業にかかわる大学を選択したほどだ。

12年に俳優デビュー。順調にキャリアを重ねる一方で、昨年から山梨県北杜市で農業をスタート。農業と俳優との”二刀流”を始めた。「きっかけはコロナ禍です。あの時に『本当は何がしたいのか』を真剣に考えて、農業をやりたいとの思いにたどり着きました」と明かした。時間や金銭に余裕のできる50歳や60歳になってからではどうか…とも考えたが、今やることに意味があると思い至った。「リスクを取らないことがリスクだなと感じたんです」。

始めた当初は、周囲から「役者をどうするんだ」という批判も多数受けたという。「批判は仕方ないし、むしろ安心しました。僕はマイナスのことを言ってくれる人の意見を重要視しているんです。昔は『二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず』と言いましたけど、今は二刀流で頑張っている人も多い。自分も”半農半芸”で頑張っていきます」。

お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行(29)が野球の独立リーグBC・栃木に入団し、芸能と野球の二刀流生活にまい進していることも刺激になっている。「すごくすてきだと思うんです。1つのことを突き詰めるのももちろんすてきですけど、もう1個をやっちゃいけないってわけじゃない。ちゃんと真摯(しんし)に向き合えば、三刀流でも四刀流でもいいと思うんです」。

番組では農業への転職者を工藤が訪れ、農作業を手伝いながら、苦労や喜びなどの本音を引き出していく。「これから農業を始めたいと思っている人の教材の1つになればいいな」。初の冠番組でしかも初レギュラーを持つ喜びと緊張感を持ちながら「ぜひお時間があれば、いやお時間がなくても見ていただけたらうれしいです」とアピールした。【松本久】

◆工藤阿須加(くどう・あすか)本名同じ。1991年(平3)8月1日、埼玉県生まれ。12年に日本テレビ系ドラマ「理想の息子」で俳優デビュー。18年にフジテレビ系「ザ・ブラックカンパニー」で主演。今年はフジテレビ系「テッパチ!」、WOWOW「鵜頭川村事件」などに出演。映画は「総理の夫」など多数。農業への関心が高く、日本テレビ系「有吉ゼミ」内のコーナー「工藤阿須加の楽しい農園生活」に出演している。プロゴルファーの工藤遥加は妹。