歌舞伎俳優中村勘九郎(40)が5日、初日を迎えた「平成中村座十月大歌舞伎」(27日まで、浅草寺境内)で、開場を知らせる一番太鼓の儀式を行った。勘九郎は、歌舞伎囃子方の田中流家元、田中傳左衛門氏にバチを手渡し、観客を呼び込み、知らせるような「ドントコーイ ドントコーイ」の太鼓の音が響き渡った。

平成中村座の浅草での公演は4年ぶり。勘九郎は「4年ぶりに浅草に帰ってきました。今から180年前、天保13年10月5日に中村座がここ浅草の地で開幕しました。同じ10月5日に初日を迎えられるという、奇跡的なご縁を感じます」とコメントした。

第2部は、宮藤官九郎による新作歌舞伎「唐茄子屋(とうなすや) 不思議国之若旦那」が上演される。勘九郎は「新作『唐茄子屋』ももちろんですが、古典の持つ魅力もあわせて、平成中村座でご堪能いただきたいと思います」とした。

第1部は「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき) 角力場」「極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)」、第2部は「唐茄子屋」のほか、「綾の鼓」。

11月も「平成中村座」公演があり、勘九郎は「今日から2カ月、皆様のご来場をお待ちしております」とコメントした。