新人賞は河合優実(22)が受賞した。今年は「冬薔薇(そうび)」(阪本順治監督)や「PLAN 75」(早川千絵監督)「ある男」(石川慶監督)「女子高生に殺されたい」(城定秀夫監督)など8作品に出演。映画にどっぷりの日々を過ごし「こういう形で賞をいただけると励みになりますし、ありがたく思っています」と喜んだ。
75歳以上が自由に生死を選択できる架空の制度を題材にした「PLAN-」では、倍賞千恵子演じる主人公ミチと出会い、制度に疑問を抱いていくコールセンターの担当者を演じた。少ないシーン数の中では「自分の役を掘り下げるより、どうやってミチとの関わり合いを変化させていけばいいのかを考えていました」。ミチとの電話越しの会話では、営業風の声色をナチュラルに披露する。学生時代、コールセンターでのアルバイト経験があると明かし「まさかコールセンターで働く人の役をやるとは思わなかった」と笑った。
撮影では、倍賞のフラットでピュアな人間性にも胸を打たれたという。若手エキストラの収録の様子を見ていると「『私もあんなふうにお芝居できたらいいのに』とおっしゃったんです。何の嫌みもなく、まっすぐ感動していて。それは忘れないですね」と語った。
来年で女優業を始めて丸4年。倍賞ほどの年齢になった自分の姿を、想像することがあるという。「年を取ることはすごく楽しみ。それぞれの年代のすてきな女優さんや女性に出会えているので。『PLAN 75』の倍賞さんみたいなことができるんだったら、すごくいいなと思います」。【遠藤尚子】
◆選考経過・新人賞 「超大型新人。落ち着いた役からコメディーまで幅広い」(三輪祐見子氏)と河合が1回目の投票で1位に。僅差で「脇に回った時の支え方が感動につながる」(笠井信輔氏)と評された古川琴音との決選投票で決まった。
◆河合優実(かわい・ゆうみ)2000年(平12)12月19日、東京都生まれ。19年映画「よどみなく、やまない」で主演デビューし、映画、ドラマ、モデルなどで活躍。22年ブルーリボン賞新人賞受賞。主演映画「少女は卒業しない」が来年2月23日公開。
◆PLAN 75 78歳の角谷ミチ(倍賞)は高齢を理由に仕事を解雇され、満75歳から生死の選択権を与える「プラン75」申請を検討する。市役所の申請窓口で働く岡部ヒロム(磯村勇斗)とコールセンターの成宮瑶子(河合)はシステムに強い疑問を抱く。
◆女子高生に殺されたい 女子高生に殺されるため高校教師になった東山春人(田中圭)が立てた、9年間の「理想的な自分殺害計画」。東山が顧問となった「遺跡研究部」に幼なじみと入部した、対人関係が苦手な小杉あおい(河合)は犯罪計画に巻き込まれる。
◆冬薔薇 不良仲間とダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。親とも不仲な淳は両親の仕事にも興味を示さない。そんな中、淳が所属する不良グループのリーダーである美崎輝(永山絢斗)の妹智花(河合)が襲われる事件が発生する。
◆ある男 弁護士の城戸(妻夫木聡)は亡くなった大祐の妻里枝(安藤サクラ)から身元調査を受ける。大祐の兄が遺影を見て「大祐じゃないです」と告げ別人と判明。正体を追う中で、本物の大祐の元恋人、後藤美涼(清野菜名)過去を知る茜(河合)らを手掛かりに真実にたどり着く。
昨年「いとみち」で新人賞を受賞した駒井蓮(22) このたびは、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞のご受賞おめでとうございます。「冬薔薇」では、静かに、けれどふつふつと熱い思いを揺らがせている智花の姿に胸打たれました。そして、その智花の鋭い視線から河合さんの芯が伝わってきました。智花はいずこに行ってしまうのだろうか、これからも、ずっと気になり続けると思います。いつかご一緒できたらうれしいです。



